携帯小説!(PC版)

ひとり

[418]  カナ  2007-08-03投稿
春から就職

念願だった独り暮らし。

すごく狭いワンルーム。

でも、何でかな

こんなに狭い部屋なのに、

私にはすごく広く感じる。

まだ荷物が少ないせいかな。

始めの3日は

1人なんて平気だった。

好きな時間にご飯を食べて、好きな物を好きなだけ食べた。


ある日カレーを食べた。

インスタントのご飯にレトルトのカレーは正直不味かった。

そして、手料理を作ってみた。

ご飯と味噌汁と煮物。

それだけ。

でも、食べたとたん

涙が出た。

初めて作った煮物は、すごく薄味で不味かった。


でも

家から持ってきた味噌で作った味噌汁は…

家族を思い出せる味だった。

すごくすごく美味しくて。

暖かいご飯も、美味しい食事も、1人で食べても楽しくなくて。



ある日、家に電話をかけた。

普段厳しいお祖父ちゃんが言った。

「元気にしとるか?ちゃんとご飯食べてるか?」


電話ごしの優しい声に、すごくすごく泣けてきた。


去年は友達と過ごした夏休み。

今年は仕事で無くなった。
寂しがってばかりはいらせないって分かってる。

でも、早く家に帰りたい。

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