さくら〜最後〜
「ごめんな。」
最後に僕は君に謝った。
「なんで?わたし幸せだよ。」
僕はもう一度強く君を抱きしめた後、立ち上がった。
「いこう。」
車椅子に君を乗せて病院を出た。公園までは30分もあれば着くだろう。
病院をでた僕らを君の両親がまっていた。
「いってくるね。」
君の言葉に泣き崩れたお母さんをささえながら、お父さんが僕に頭を下げた。僕も深く頭を下げた。
公園の入り口には階段があるので僕は君を車椅子から背中に迎えた。
「わたし幸せ者だね。」
耳元で君が言った。しがみついた君の手の力が弱くなっていく。僕は涙をこらえるのを諦めた。君をベンチに下ろして、必死にさくらを探した。邪魔な涙を何度も拭って。公園の一番奥の小さなさくらの木にホントにさくらが咲いていた。僕は枝ごと折ると君の所に急いだ。
「あったんだ。ホントに咲いてたんだ。」
君の手にそっとさくらの花を渡した。君はもう目を開けることもできなかった。君はそっと頬にさくらを寄せて微笑んだ。
「きれい。」
さくらの花びらが散った。君は最後まで笑ってくれた。死ぬほど辛くても、最後の瞬間までも。
「ありがとう。」
僕はそっと君を包み込んだ。
最後に僕は君に謝った。
「なんで?わたし幸せだよ。」
僕はもう一度強く君を抱きしめた後、立ち上がった。
「いこう。」
車椅子に君を乗せて病院を出た。公園までは30分もあれば着くだろう。
病院をでた僕らを君の両親がまっていた。
「いってくるね。」
君の言葉に泣き崩れたお母さんをささえながら、お父さんが僕に頭を下げた。僕も深く頭を下げた。
公園の入り口には階段があるので僕は君を車椅子から背中に迎えた。
「わたし幸せ者だね。」
耳元で君が言った。しがみついた君の手の力が弱くなっていく。僕は涙をこらえるのを諦めた。君をベンチに下ろして、必死にさくらを探した。邪魔な涙を何度も拭って。公園の一番奥の小さなさくらの木にホントにさくらが咲いていた。僕は枝ごと折ると君の所に急いだ。
「あったんだ。ホントに咲いてたんだ。」
君の手にそっとさくらの花を渡した。君はもう目を開けることもできなかった。君はそっと頬にさくらを寄せて微笑んだ。
「きれい。」
さくらの花びらが散った。君は最後まで笑ってくれた。死ぬほど辛くても、最後の瞬間までも。
「ありがとう。」
僕はそっと君を包み込んだ。
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