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私の好きな人・5

[333]  雪ウサギ  2007-08-05投稿
遠くで犬の鳴き声…
蛍光灯に集まる虫の音…
そして…先輩と私の靴の音
それだけが辺りに響いている…
―気まずい…―\r
まず思った事はそれだった話す内容が思い浮かばない。
―なにかを話さないと―\r
そう思い、必死に考える。
―そういえば…―\r
しばらく考えて思い付く。「先輩!あの日なんで泣いていたんですか?」
そう!ずっと気になってはいたが聞く機会がなかった事…
「あ、それ…は」
とたんに先輩の顔が暗くなる…
「あ。すいません…」
悪い事を聞いたらしい…
素直に謝る…
「優ちゃんは…どう思うかな?」
「え?何がですか?」
「……引くから止めた。」「ひきません!悩みがあるならどんな事でも相談のりますよ!?」
「うん…」
先輩は言いにくそうに口をひらく…
「優ちゃんは…同性を…好きになった事ある?」
「好きな子はいっぱいです!(笑)
「いや…そうじゃなくて…」
また、しばらくの沈黙…
「好きって…恋愛対象で…」
と、小さな声でやっとの思いで言う…

言ってた意味がよく分からない…
「あの…それはどーゆう事でしょうか?」
おずおず質問する…
「俺…言わばその…あ。一応女の子とも付き合っていた時もあるよ!?だけど…基本的…その…俺…あれなんだ…」
何と無く言っている意味が分かってくる…
「それは…巷(ちまた)で言うボーイズラブ…ホ…その…先輩…が?」
頭で理解し、それを伝えてみるが頭が混乱し、ちゃんと説明できない…
「……引くよね?」
寂しそうな顔で先輩が私を見る…
=物好きだね…=
図書委員の女子の言ってた意味がわかった…
きっと知っていたのだろう…
「優ちゃん?」
「ひきません!私は先輩の味方です!」
「本当?」
とたん、先輩の顔が笑顔になる…
かわいい…
「はい!何でも相談してください!」
「じゃあ、今好きな図書委員長の長瀬さんと…仲良くしてください!(笑)」
「あ?先輩と長瀬さんね?」
………。
「って…えぇ!?」
「無理?やっぱ長瀬さん男だし…つーか俺の事やっぱ…」
「ち…違いますよアハハ?」
と、笑ってみるが…今私は……


かくして、私は私の好きな人の恋を応援する事になってしまったのだ…

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