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緑の惑星.4

[506]  金田七耕助  2007-08-09投稿
 私は、宇宙船の地球大気圏突入を前に、思い切って、コックピットに並んで座っている緑惑星人に、質問した。
「地球を調べる目的はなんだ?」
 偽アイザックが答えた。「いずれ分かる事だから、本当の事を言っておこう。我々は、以前から地球人の情報を、大まかだが得ている。地球人は無知な者の集まりで、自然の一部であることを忘れ自然を離れ、将来公害や核戦争で、地球自体の生命体を死滅させるばかりか、他の惑星にまで被害を及ぼしてしまう恐れがあるので、機会があれば改善しようと決めていた。今回、お前達が我が惑星に立ち寄ったために、他の惑星まで破壊する可能性があるとみて、実行に移したという訳だ。」
話し終っても、冷徹な表情を変えることがない。やはり得体の知れない生物なのだ。
私は更に質問した。
「改善するというのは、具体的にどうするつもりだ?」
 今度は、偽リチャードが、機械的な表情で答えた。「それは簡単なことだ。こんなふうに二人の宇宙飛行士が我々緑惑星人に入れ替わったように、地球人を緑の惑星におびき寄せては、次々と我々の仲間と入れ替えていく積もりだ。実は我々の先祖も、何億年か前には、今の地球人のようになっていたが、物質文明を捨て、何も製造せず、代わりに、長年の研究を経て遺伝子を自由に変換する能力を身につけたのだ。これにより、肉や野菜や穀物を生産しなくとも、自ら植物に化けることで、地面から直接養分を吸収して生きることが出来るのだ。次に緑の惑星にやってくる地球人を、我々の惑星人に変えて地球に送り込む。地球人には植物になって静かに我々の惑星で生活して頂く。地球人はこれに気付かずに、次々と旅行にやってくるだろうから、これを何回となく繰り返せば、最後には地球人を地球から排除出来るはずだ。見た目は地球人で溢れているとしても。」
 …宇宙船は間もなく大気圏に入り、予定通り太平洋に着水し、人々の歓迎を受けながら、我々三人は、フロリダにある航空宇宙基地に、到着した。

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