〜僕と公園〜
隆太はいつも公園のブランコに座っていた。この公園は三歳の時から今、中一になるまで毎日欠かさず散歩に来ていた公園だ。
今日も座っていた。いつもと変わらない公園。滑り台があって、砂場があって……ただ、今は台風が近づいていたから、木々が激しくざわめいていた。
「風が強くなってきたわ。帰りましょう、キョウくん」
母親が小さな子供の手を引いている。隆太は動く気にもならず、そこに座りっぱなしだった。
「え〜、まだいいでしょ。だってあそこのブランコにお兄ちゃんも座ってるよ」
「あの子はおかしい子なの。ほら、風が強くなってきたでしょう。こういう時は帰るものなのよ」
母親は子供を強引に公園から連れて行った。
『おかしい子だってさ』
公園の妖精、ピクナーが言った。
「そりゃそうさ。僕は他の人には見えない妖精と喋ってるんだから。他の人には一人で喋ってるようにしか見えないよ」
ピクナーは小一くらいから見え、喋れるようになった。何故隆太だけ見えるのかはまだ判明していない。
『この公園、潰されるらしいぜ。市役所で盗み聞きしてきた』
「まさか、冗談言うな」
ピクナーは冗談を言うのが好きだった。だから、冗談だと思って隆太は落ち着いていた。
『本当だって。これは冗談じゃないんだ。命を賭けてもいい』
「本当なのかっ。なんで止めなかったんだ。ピクナーは魔法を使えるんだろ?それでその計画の記憶を消せばよかったのに」
『魔法は使えるけど、人類の進歩の妨げになるような事には使っちゃいけない。怪我を治したり、部屋を綺麗にするくらいなら人間にしてあげれるけど…。もし、人類の進歩の妨げになるような魔法を使ったら、俺は消えてしまう』
「でも、もし公園がなくなったら、ピクナーは何処に住むのさ」
『違う公園に引っ越す』
隆太は愕然とした。
この公園がなくなるなんて…おまけにピクナーがいなくなるなんて……。
『工事が始まるのは7月17日。ちょうど二週間後』
二週間。二週間の間になんとか止めなくちゃ。
今まで毎日通った公園。今からも毎日通うだろう公園。とっても大切なんだ。
でも、どうしたらいいのか分からない。 ただ今は立ちすくむだけだった。
今日も座っていた。いつもと変わらない公園。滑り台があって、砂場があって……ただ、今は台風が近づいていたから、木々が激しくざわめいていた。
「風が強くなってきたわ。帰りましょう、キョウくん」
母親が小さな子供の手を引いている。隆太は動く気にもならず、そこに座りっぱなしだった。
「え〜、まだいいでしょ。だってあそこのブランコにお兄ちゃんも座ってるよ」
「あの子はおかしい子なの。ほら、風が強くなってきたでしょう。こういう時は帰るものなのよ」
母親は子供を強引に公園から連れて行った。
『おかしい子だってさ』
公園の妖精、ピクナーが言った。
「そりゃそうさ。僕は他の人には見えない妖精と喋ってるんだから。他の人には一人で喋ってるようにしか見えないよ」
ピクナーは小一くらいから見え、喋れるようになった。何故隆太だけ見えるのかはまだ判明していない。
『この公園、潰されるらしいぜ。市役所で盗み聞きしてきた』
「まさか、冗談言うな」
ピクナーは冗談を言うのが好きだった。だから、冗談だと思って隆太は落ち着いていた。
『本当だって。これは冗談じゃないんだ。命を賭けてもいい』
「本当なのかっ。なんで止めなかったんだ。ピクナーは魔法を使えるんだろ?それでその計画の記憶を消せばよかったのに」
『魔法は使えるけど、人類の進歩の妨げになるような事には使っちゃいけない。怪我を治したり、部屋を綺麗にするくらいなら人間にしてあげれるけど…。もし、人類の進歩の妨げになるような魔法を使ったら、俺は消えてしまう』
「でも、もし公園がなくなったら、ピクナーは何処に住むのさ」
『違う公園に引っ越す』
隆太は愕然とした。
この公園がなくなるなんて…おまけにピクナーがいなくなるなんて……。
『工事が始まるのは7月17日。ちょうど二週間後』
二週間。二週間の間になんとか止めなくちゃ。
今まで毎日通った公園。今からも毎日通うだろう公園。とっても大切なんだ。
でも、どうしたらいいのか分からない。 ただ今は立ちすくむだけだった。
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