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私はね。

[358]  胡麻  2007-08-12投稿
少しキツメのお線香の香りが部屋中に広がっている。
皆は泣いている。悲しくて哀しくて崩れ落ちてる人が何人もいる。

それもそうだ…

私の目の前には、
私の姉貴の亡骸がある。きちんと寝かせてある。

が、

私にはただ無造作に置いてあるにしか見えない。



『何で涙が出ないのだろう。何で泣かないの??』

悲しいなんて、私には分からない。
今本当に姉貴が私の側から居なくなったのか。


実感がわかないとはこういう事なのか。


『未来!!早くしなさい。』

順番をまっている後ろの奴等を見て、母は小声で私に言った。
母が小声だったのは別に場所を考えて声を小さくしたんじゃない。
昨日の夜、これまでにない大声で泣きわめいていたからだ。
現に母の声はかすれている。


私は何も言わず席に戻った。


聞きたくないお経が聞こえてきた。
とても長く感じた。


姉貴の学校の人達は未だに泣き崩れている。


私はやっと だんだん分かってきた。

何故今こんなに長いお経を聞いて、皆と違う席に座っているのか、

何故今こんなに女の子達が泣き崩れているのか、

何故今こんなに母の声が枯れているのか、


私は後悔で










冗談抜きで










殺されるかと思った。











今はいている制服のスカートがシワクチャになってしまった……

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