処刑生徒会長9
ここで再び梅城ケンヤは、カーテンを開け放ち―\r
(あいつ等を見てみろよ)
窓の下の情景に目を向けて、内心で吐き捨てる。
殺した連中にじゃない。
殺した連中に群がる連中にだ。
今、会長室の真下に広がる中庭には、体育館の壁に吊されたままの三体の晒し物目当てに大勢の生徒達が集まり、まるで何かのイベントみたいにはしゃぎ回っている。
死体に罵声を浴びせかけ、石を投げつける者。
ここぞとばかりにイジメグループ達の悪口を言いふらす者。
平気でパンやお菓子を食べだす者。
中には携帯で銃殺体の写真を取り、かわるがわるその前で記念撮影を始める者までいた。
そして―\r
『おっ、生徒会長だ!』
誰かが白く塗られたコンクリート建ての三階の一角からのぞくケンヤを見付けて指をさすと、
『よっ、我らが生徒会長!』
『正義の味方!』
『キャアッ!かっこいい!梅城くうーん!』
『今度も期待しているぜ!』
『この調子で学校からイジメを無くしてくれよ!』
『こっち向いてー!キャアッ!今私と目が合った!』
『次もあんたに投票するぜ!』
その場は騒然となり、集まった全員が梅城ケンヤに称賛の声をあげた。
開けた窓から悠然と手を挙げケンヤは笑顔でそれに応えた。
そして心の中では別の事を考えていた。
―そう、こいつらだよ。
愚かにして無知。
浅薄にして無責任。
全てを誰かに押し付けて自分だけ楽をしようとする堕落しきったこいつら。
虫が良すぎるんだよ。
イジメには加害者がいて被害者がいる。
だが、それは氷山の一角だ。
いつまでたってもイジメがなくならず、逆にエスカレートする一方なのはなぜか?
イジメグループが何人自殺さしても、翌日からのうのうと同じ教室に通い、被害者の葬式にまでそしらぬ顔で出れるのはなぜか?
害虫がわくのは―水が汚いからだよ!
そう、梅城ケンヤは憎んでいた。
生徒全てを。
そして、彼はただ憎むだけで済ませるつもりなどなかった。
イジメやイジメグループを止める所か、彼ら一般生徒達は、それに逆らえず、消極的にイジメに参加する事によって、保身を図っている。
―それだけじゃない
笑顔の底で、ケンヤの目に暗く険しい光が宿った。
(あいつ等を見てみろよ)
窓の下の情景に目を向けて、内心で吐き捨てる。
殺した連中にじゃない。
殺した連中に群がる連中にだ。
今、会長室の真下に広がる中庭には、体育館の壁に吊されたままの三体の晒し物目当てに大勢の生徒達が集まり、まるで何かのイベントみたいにはしゃぎ回っている。
死体に罵声を浴びせかけ、石を投げつける者。
ここぞとばかりにイジメグループ達の悪口を言いふらす者。
平気でパンやお菓子を食べだす者。
中には携帯で銃殺体の写真を取り、かわるがわるその前で記念撮影を始める者までいた。
そして―\r
『おっ、生徒会長だ!』
誰かが白く塗られたコンクリート建ての三階の一角からのぞくケンヤを見付けて指をさすと、
『よっ、我らが生徒会長!』
『正義の味方!』
『キャアッ!かっこいい!梅城くうーん!』
『今度も期待しているぜ!』
『この調子で学校からイジメを無くしてくれよ!』
『こっち向いてー!キャアッ!今私と目が合った!』
『次もあんたに投票するぜ!』
その場は騒然となり、集まった全員が梅城ケンヤに称賛の声をあげた。
開けた窓から悠然と手を挙げケンヤは笑顔でそれに応えた。
そして心の中では別の事を考えていた。
―そう、こいつらだよ。
愚かにして無知。
浅薄にして無責任。
全てを誰かに押し付けて自分だけ楽をしようとする堕落しきったこいつら。
虫が良すぎるんだよ。
イジメには加害者がいて被害者がいる。
だが、それは氷山の一角だ。
いつまでたってもイジメがなくならず、逆にエスカレートする一方なのはなぜか?
イジメグループが何人自殺さしても、翌日からのうのうと同じ教室に通い、被害者の葬式にまでそしらぬ顔で出れるのはなぜか?
害虫がわくのは―水が汚いからだよ!
そう、梅城ケンヤは憎んでいた。
生徒全てを。
そして、彼はただ憎むだけで済ませるつもりなどなかった。
イジメやイジメグループを止める所か、彼ら一般生徒達は、それに逆らえず、消極的にイジメに参加する事によって、保身を図っている。
―それだけじゃない
笑顔の底で、ケンヤの目に暗く険しい光が宿った。
感想
感想はありません。
「 まっかつ 」の携帯小説
SFの新着携帯小説
- 〜Stliker〜 哀編 (180)
- 〜Stliker〜 哀編 (179)
- 〜Stliker〜 哀編 (178)
- 〜Stliker〜 哀編 (177)
- 〜Stliker〜 哀編 (176)
- 〜Stliker〜 哀編 (175)
- 〜Stliker〜 哀編 (174)