昔、いろんな国で戦争がありました。

人々は自分の国以外の人達を憎み、拒絶し、殺し合いを果てしなく行いました。

ある国の騎士が他の国を攻める時にこう言いました。

「俺は騎士だけど争いは嫌いだ。平和が一番良い。美味しいものを食べられて、楽しいことをたくさんして、たくさん寝て…
戦争がなくて平和に生きていけるなら世界中の人達みんながそれをできるのに、なぜその楽しみを殺して奪わないといけないんだ？俺は戦わないからな。」
騎士は戦わずそのまま一人国に帰ってしまいました。


その騎士は敵からは「臆病者」と笑われ

自分の国からは「怠け者の騎士」と呼ばれ憎まれました。

この怠け者にとうとう王様が怒りました。
「この怠け者め！お前なんか地獄に落ちてしまえ！」

怠け者の騎士は処刑されてしまいました。

それを見ていた神様が哀れに思いました。

「ああ、なんと可哀想な騎士なんだ。平和を愛する騎士よ。この世界に平和をもたらしたいならこの剣を抜くが良い。」
そう言うと神様は剣を騎士の前に差し出しました。

それを見た騎士は戸惑い怒りました。
「嫌だ！俺は争いは嫌いだ！！なんで平和をもたらすのに剣を抜かないといけないんだ！！」

神様は優しい笑顔を浮かべ言いました。

「自分が正しいことをするのにも悪に立ち向かう「力」が必要なんだ。この剣を抜けばその「力」が手には入る。自分の信じる平和を勝ち取りたいのなら剣を抜くが良い。悪から平和を取り戻すのだ」

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