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〜Stliker〜哀編(77)

[381]  焼き魚  2007-08-15投稿
龍雅は相手を吹き飛ばした瞬間、どうしてかは解らないが不安に駆られていた。

龍雅(あの獣人型ストライカーは恐らくまだ本気ではない)

次の瞬間、相手が埋もれた瓦礫の中から一筋の光が発生して瓦礫が一瞬にして吹き飛び緑のオーラに包まれた武双龍焔獄が現れた。

マクシミリアン「…覚悟は…いいか?俺も以前の俺ではない!!」

武双龍焔獄は気を発散した。

衝撃波でディア=パノスがよろめいて後ろに後退した次の瞬間だった。

マクシミリアン「…遅い…な」

武双龍焔獄はディア=パノスの背中に回り込み、双頭の口から小さなエネルギー弾を大量に発射した。
辺りは一気に白煙が立ち込めた。

龍雅「…ぐ、ぐそぉ…」

ディア=パノスは破壊されなかった。
直撃寸前でわざと右に倒れる事で回避を試みた。
しかし、左腕は直撃を喰らい肘から先は装甲が消し飛びフレームが見えていた。

龍雅「…左腕損傷…機能停止…ひどいな…」

うずくまるディア=パノスに武双龍焔獄が立ちはだかる。

マクシミリアン「わるいが次は外さない。正直、かつての部下を撃つのは心が痛むが…」

双頭の首が伸び、牙の部分はエネルギーを纏い光り始めた。

マクシミリアン「さらばだ…」

武双龍焔獄の牙がディア=パノスに襲い掛かる。

龍雅(出力増強…かわして見せる!)

龍雅は出力調整ダイヤルを強化し回避行動を始めた。
ディア=パノスは機能を停止した左手をあえて差し出し、片方の頭がそれに噛み付くともう片方の頭を受け止めてそれを引きちぎった。
同時に攻撃を喰らった左手は爆発で消し飛んだ。
その自らを投げる行為にマクシミリアンは驚愕した。

マクシミリアン(ば!!馬鹿な!?これがあの少年兵なのか!?)

龍雅はマクシミリアンの一瞬の動揺を見逃さなかった。

龍雅「!!…貴方に本気を出す必要はありません!!」

龍雅はバーニアを全開にして突撃をかけた。
その際、右手に持っていた片方の首を投げ付けた。
相手は完全に怯み体勢を崩した瞬間、耳を掻き切るような金属音と共にディア=パノスは右の拳で武双龍焔獄の胸部をえぐった。

龍雅「…隊長…どうして…」

龍雅の目がその悲しみの深さを物語っていた。

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