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航宙機動部隊第三章・50

[403]  まっかつ  2007-08-17投稿
同日二0時・パレオス星系外縁・戦艦《サルタン=バヤズィット?》―\r

基底艦橋には最外縁征討軍の職業軍人組の幹部連が、残らず参集し、整列していた。
『気に入らん作戦だな、こいつは』
戦時総指令官・ロバート=ハートフォード大将は普段からいかつい外貌に口調だったが、与えられた命令に抱く不服は、それに一層強い味付けをして余りあった。
軍人だから好戦的と言う分けではない。
少なく共、直接命を落とすポジションに居るだけに、命令にはそれなりの根拠ないし合理性が欲しいといつも思う物だった。
しかも、今回に至っては大義とは真逆の意味に置いて極め付きだった。
『政治的矛盾を反らす為、帝国に一撃を加えて来いとはな。今時ネットゲームでももう少し真剣に闘う物なんだがな』
一段高い主座に陣取る大将は、遠慮無く現状を風刺した。
パレオス星民の不満を宥める為には、もうこれしか無いのだ。
戦って、勝って、自分達の存在意義を示す以外、彼等を納得させる方法は、もう無いのだ。
だが元はと言えば、太子党の無軌道振りに掣肘を加える責任は、政治に、具体的にはネカイア公爵に在る筈。
フーバー=エンジェルミは怖いから罰する事が出来ません。
ですから貴方達が帝国と戦って埋め合わせして下さい―これでは虫が良過ぎるではないか。

『閣下…出撃する味方の士気に障ります』
傍らに立つ参謀長・ヘンリー=アレクサンダー中将がすかさず上官をたしなめる。
『ああ…そうだったな』
戦時指令官も一応はそれに従ったが、表情に現れる本心までは、如何ともならなかった。
間も無く、正規宙母二0隻・小型宙母三三隻基幹の先鋒隊、約一五00隻が、シルミウム星系方面に向けて出撃するのだ。
『アリ=アリアンス宙沖を制圧し、当地に遊弋する敵統合宇宙軍機動部隊・及び施設を襲撃し、来るべき決戦の布石と成します』
参謀長の説明が終わるや否や、通信が入った。
『バクーシン集団より入電。【ワレコレヨリシュツゲキス】!』
『返信せよ!【キデンノブウンヲイノル】。全艦信号灯緑点滅!総員起立!敬礼!』
担当士官の号令が鳴り響き、一同は去り行く友軍を見送る。
ロバート=ハートフォードもそれに倣った。
遂に始まったのだ。

《航宙機動部隊第三章・END》

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