緑の惑星.8
長期休暇も終わり、ケネディー宇宙センターでの任務に着いて数日が経ったある日、所長から、前回惑星探査機に搭乗した我々三人の宇宙飛行士に、呼び出しがあった。
次回の探査計画についての打合せは終わったばかりで、嫌な予感がした。三人揃って会議室に入ると、そこには、所長以外に見慣れない三人の男が待っていた。全員立ち上がると同時に、所長が横の男を指差しながら口を開いた。
「こちら、CIA副長官のロバート・ジョンソン准将だ。君達三人に少し聞きたいことがあって来られた。」
組織のナンバー2にしては若い、生き生きとした青い瞳の男が、じっくりと視線を向けてきた。
「初めまして、アンダーソン船長。さっそく本題に入らせて頂くが、例の惑星植物のサンプル紛失事件について、何か心当たりはありませんかね?」
一瞬、冷たい沈黙が覆ったが、私が気を取り直して、
「それは分かりませんね。驚くばかりです。」と答えると、ジョンソン准将は、
「そうでしょうな。しかし、奇妙な、しかし重大な事件が続くものですね。例の銀行強盗が何者かに惨殺された事件についても、不思議だ。しかし、我々は見過ごす訳にはいかない。職業柄ね。…では、失礼します。貴重な時間を提供して頂いて感謝します。」相手の目の奥まで見通すような、冷静な視線を三人の飛行士に順番に向けながら、准将は立ち上がり、部下二人と共に足早に帰路に着いた。
残った三人に所長が言った。
「彼が今月副長官になってから、CIAは例の事件を重くみて、極秘裏に調査研究を始めているらしい。中身は分からないが、地下に4平方キロメートルの新たな研究施設を作り、医学者、物理学者、化学者、生物学者、植物学者、細菌学者、防疫学者を集め、秘密保持も徹底したもので、研究が完成するまでは学者達は外出禁止だそうだ。そのために、学者達の妻子も施設の中に住まわせ、託児所や小中学校や遊戯施設も完備させているらしい。」
所長の聞きながら、寒気がするほどの殺気を持つ男の顔を思い浮べていた。誰の口からも言葉は出なかった。
次回の探査計画についての打合せは終わったばかりで、嫌な予感がした。三人揃って会議室に入ると、そこには、所長以外に見慣れない三人の男が待っていた。全員立ち上がると同時に、所長が横の男を指差しながら口を開いた。
「こちら、CIA副長官のロバート・ジョンソン准将だ。君達三人に少し聞きたいことがあって来られた。」
組織のナンバー2にしては若い、生き生きとした青い瞳の男が、じっくりと視線を向けてきた。
「初めまして、アンダーソン船長。さっそく本題に入らせて頂くが、例の惑星植物のサンプル紛失事件について、何か心当たりはありませんかね?」
一瞬、冷たい沈黙が覆ったが、私が気を取り直して、
「それは分かりませんね。驚くばかりです。」と答えると、ジョンソン准将は、
「そうでしょうな。しかし、奇妙な、しかし重大な事件が続くものですね。例の銀行強盗が何者かに惨殺された事件についても、不思議だ。しかし、我々は見過ごす訳にはいかない。職業柄ね。…では、失礼します。貴重な時間を提供して頂いて感謝します。」相手の目の奥まで見通すような、冷静な視線を三人の飛行士に順番に向けながら、准将は立ち上がり、部下二人と共に足早に帰路に着いた。
残った三人に所長が言った。
「彼が今月副長官になってから、CIAは例の事件を重くみて、極秘裏に調査研究を始めているらしい。中身は分からないが、地下に4平方キロメートルの新たな研究施設を作り、医学者、物理学者、化学者、生物学者、植物学者、細菌学者、防疫学者を集め、秘密保持も徹底したもので、研究が完成するまでは学者達は外出禁止だそうだ。そのために、学者達の妻子も施設の中に住まわせ、託児所や小中学校や遊戯施設も完備させているらしい。」
所長の聞きながら、寒気がするほどの殺気を持つ男の顔を思い浮べていた。誰の口からも言葉は出なかった。
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