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両恋イノセント?【朝】

[111]  HIYO821  2007-08-20投稿
山橋の朝はちょっと遅い。
俺が朝練してて早いっての差し引いても、始業ギリギリに眠い目を擦りながら入ってくるアイツを見てるといつか遅刻すんじゃないかって、正直ハラハラする。まあ俺には関係ないんだけど。関係、ないんだけど、なぜかつい見てしまう。同じクラスなのに特に話したこともない、ちょっと控えめで誰にでも優しくて。俺なんかとは正反対のアイツ。
今日は何かちょっと目が赤くね?寝不足か?
そんな事考えてたら、河田が俺に話をふってきた。いけね。ハッと我に帰って適当に返事をする。他愛もないいつもの会話。ちらっと山橋を見たら、おんなじように仲のいい川島と話してた。ふわふわ、楽しそうに笑う山橋を見たら俺はなんかドキドキして、慌てて目をそらしろくに聞いてもなかった河田の話にとりあえず、笑った。




中野くんの朝は早い。
サッカー部の朝練があるんだそうだ。カナちゃんが言ってた。何にせよ、朝が大の苦手なあたしにとっては尊敬すべき存在だと思う。すごい。今日もちょっと間をおいてから教室のドアに手をかけた。ガラリ、音がしてたくさんの話声が広がる。その中でも聴き覚えのある、明るい声に無意識に顏を向ける。教室のドアを開けて、最初に中野くんの姿を探している自分に気が付いたのは、最近のこと。いつも元気で人気者の中野くん。あたしなんかとは大違いだ。彼がきらきらして見えるのは、尊敬とか、そういうのだけじゃない、と思う。あたしの遅い登校を待ってたカナちゃんが待ちきれないみたいに話しに駆け寄ってきた。あたしはカナちゃんにおはようして、またちらり、と中野くんを見る。昨日もつい遅くまで本を読んでて、寝不足のあたしの頭に中野くんの元気な笑い声が響く。それが何だか心地良くって、あたしはゆっくり目を閉じた。


=つづく=

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