繋がれた手の温度
そろそろ都会にも慣れてきた夏のある日、疲れた顔で仕事から帰ると、寮の管理人が
「高橋さん、アンタに届いてたよ」
と、1通の手紙を差し出した。
裏返してみると、差出人は妹。
部屋に戻って早速開封したその封筒から出てきたのは、妹が書いたメモと…1枚の絵ハガキ。
見慣れた文字と、鮮やかな色で描かれた向日葵が眩しい、彼女の絵ハガキだった。
*
5年前、僕は生まれ育った田舎町で、親父が営む小さな文具屋を手伝っていた。
儲けがあるとは言えないほどの経営状態だったが、そんな事など気にならないほどの優しさが、あの町にはあった。
田舎ならではの温かい人付き合い、ゆっくりと流れる時間。
何より、開け放した木製のガラス戸から店内に差し込む透き通ったオレンジと、文房具の細かい影が混ざり合う、夕暮れの風景が大好きだった。
「高橋さん、アンタに届いてたよ」
と、1通の手紙を差し出した。
裏返してみると、差出人は妹。
部屋に戻って早速開封したその封筒から出てきたのは、妹が書いたメモと…1枚の絵ハガキ。
見慣れた文字と、鮮やかな色で描かれた向日葵が眩しい、彼女の絵ハガキだった。
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5年前、僕は生まれ育った田舎町で、親父が営む小さな文具屋を手伝っていた。
儲けがあるとは言えないほどの経営状態だったが、そんな事など気にならないほどの優しさが、あの町にはあった。
田舎ならではの温かい人付き合い、ゆっくりと流れる時間。
何より、開け放した木製のガラス戸から店内に差し込む透き通ったオレンジと、文房具の細かい影が混ざり合う、夕暮れの風景が大好きだった。
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