繋がれた手の温もり?
日差しが容赦なく照り付ける夏のある日、ぼんやりと店番をする俺の元へ、母親がアイスを持ってやってきた。
「日向(ひなた)、木村さんとこの葵ちゃん、帰って来るってよ?」
「へー、葵ちゃん帰って来るんだ。東京行ってたよね?何で帰って来るの?」
「そうそう。木村さんの奥さん、体調崩しててね…ほら、あそこはお父さんがいないでしょ?実家のお花屋さん、手伝いに帰るんじゃない?」
袋を空けてアイスを頬張りながら、昔の記憶を辿る。
『葵ちゃんか…しばらく連絡してないな』
木村 葵ちゃんは僕と同い年の、小さな花屋の一人娘だ。
7年前…20歳の頃に、憧れていた東京の会社に就職が決まり、それ以来、斜め前にあるその花屋はおばさんが1人で切り盛りしていた。
うちと同じく、屋根もなく人通りの少ない商店街にあるため決して裕福ではなかったが、それでも美人親子目当てで定期的にやって来る常連さんは何人かいた。
僕も幼なじみでもある葵ちゃんとは仲が良く、東京に行ってからしばらくはメールや電話で連絡を取り合っていた。
しかし不思議とそういう行為は自然になくなっていくもので、お互い仕事で忙しくなってから、ここ5年ほどはパッタリと連絡も途絶えている。
可愛い笑顔と優しい性格の彼女には、小・中・高とファンが絶えず、男女問わず人気が高かった。
あの葵ちゃんが帰って来る。
僕は都会に慣れて変わったであろうその姿を、色々考えてその日を過ごした。
「日向(ひなた)、木村さんとこの葵ちゃん、帰って来るってよ?」
「へー、葵ちゃん帰って来るんだ。東京行ってたよね?何で帰って来るの?」
「そうそう。木村さんの奥さん、体調崩しててね…ほら、あそこはお父さんがいないでしょ?実家のお花屋さん、手伝いに帰るんじゃない?」
袋を空けてアイスを頬張りながら、昔の記憶を辿る。
『葵ちゃんか…しばらく連絡してないな』
木村 葵ちゃんは僕と同い年の、小さな花屋の一人娘だ。
7年前…20歳の頃に、憧れていた東京の会社に就職が決まり、それ以来、斜め前にあるその花屋はおばさんが1人で切り盛りしていた。
うちと同じく、屋根もなく人通りの少ない商店街にあるため決して裕福ではなかったが、それでも美人親子目当てで定期的にやって来る常連さんは何人かいた。
僕も幼なじみでもある葵ちゃんとは仲が良く、東京に行ってからしばらくはメールや電話で連絡を取り合っていた。
しかし不思議とそういう行為は自然になくなっていくもので、お互い仕事で忙しくなってから、ここ5年ほどはパッタリと連絡も途絶えている。
可愛い笑顔と優しい性格の彼女には、小・中・高とファンが絶えず、男女問わず人気が高かった。
あの葵ちゃんが帰って来る。
僕は都会に慣れて変わったであろうその姿を、色々考えてその日を過ごした。
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