携帯小説!(PC版)

嘘神様

[346]  とうか  2007-08-23投稿
嘘なんか大嫌いだ! 嘘なんかこの世から消えちまえ!


下校の時間の事だった
「美来〜帰ろう」
お隣りさんの美来を迎えに行くと男子に囲まれていた
「お!出迎えご苦労」上機嫌な美来に周りからの声がちらほら
「付き合ってんのかよぉ」
「彼氏!?俺を捨てないでくれ」
「違う違うただの幼馴染み!」
内心ショックだった…心のどこかで好かれてるんじゃないかと
美来は確かにかわいいし愛想もいい
俺なんか…

帰り道しょぼくれていた俺に気を遣ってかいつも以上に明るく話しかけて来ていた
だけども俺の耳には入ってこない
「元気ないなぁ…
彼氏じゃないっての気にしてるの?嘘だよ 大好き」

…何ですとっ!?
「お…お前俺の事す…好きなの?」
心臓はバクバク
喉はカラカラ 手には汗までかいていた
「…なわけないじゃん」
美来の冷ややかな目線が天にも昇りそうな俺を地獄へ突き落とした
さすがに冗談でも好きな娘に言われると堪える…

嘘なんか大嫌いだ
河原に叫びたくなるのを押さえ1人ぽつんとたたずんでいた
昔はよく二人で遊んでたのになぁ
なのにあんな嘘…
嘘なんて消えちまえ!
聞き受けよう
何故だか分からないがそんな言葉が頭をよぎった
小説の読みすぎか?
家のドアを開けるとカレーの香しい匂いが漂ってくる
「おかえり遅かったねまた河原でいじけてたの?」
帰って来るなり妹の容赦ない言葉が襲いかかって来た

「…〜…」
ん!?
遊んでたのと言いたいんだか声が…出ない
「…〜…」
「何もごもごしてるの?気持ち悪」

腹立たしいがそれどころじゃない!
何で?
「なんじゃこりゃ?」あっ出た…
妹の生ゴミでもみるかの様な視線も気になるが声がでてよかった
まったくでなくなるなんて病気か?

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