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Reborn ― 2005・5

[693]  朝倉令  2006-03-11投稿
「まずは、おめでとうと言っときますかね」

オフィスの中で待っていた死神のクロガネさんは、幸せ一杯のアタシ達を見て祝ってくれた。
 部屋にはもう一名、旧知の人物が張り裂けそうな程目を見開いて、アタシを凝視している。

「あ、熊ちゃんお久〜っ、詩織の事覚えてる?」

熊ちゃん、こと熊田哲司は令と同じ大学の、自動車部以来の付き合いになる。


「忘れるもんかい! …でもよ、詩織ちゃんが本当に生まれ変わるなんてなぁ。 俺ァ令のアホが『神のお告げがあった』と言い始めた時は、とうとう頭がイカレやがったかと思ってたぜ、マジでよ」

「相変わらず口わりぃよね、熊ちゃんって、アハハ」

渋〜い顔で話を聞いていた令を見て、アタシは思わず笑っていた。




熊ちゃんの言葉通り、令は蜃気楼のように突然あらわれたクロガネさんの助言に従って、令とアタシが初めて海へ行った時に撮った写真を、オフィスの正面に飾っておいた。
 《二人の思い出》が魂の封印を解くキーワードだなんて、ちょっとロマンチックかも…



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