ただ、愛してるlove.10
「みーきー?」
そんな3年前のことを思い出しながら、お兄ちゃんの声で我にかえるあたし。
「だっ、だからー!ここはあたしの部屋!これはあたしのベッド!勝手に入って勝手にゴロゴロしないでよね〜!」
「やだ〜。みきの部屋は俺の部屋☆俺の部屋は俺の部屋!」
き、きたー!!
この誰にも負けない自己中ー!
モテる意味がわかんない!
「もっと大人になってよねー!ひかる!!」
「こらーひかるとかなんだーひかるとはー“お兄ちゃん”と呼びなさーい!」
口を尖らせながら抱きついてきた、このばか兄!
「や、やめてよーへんたーい!離してー!」
「やだー離さないしー。俺の可愛い妹みき〜」
やけに今日はテンション高い、!
1こ違いの兄妹はケンカばっかで、仲良くないのが一般。
けど、あたしとお兄ちゃんはちょっと違う。
てか、お兄ちゃんがむしょーに絡んでくるから、これまた不思議。
いわば、“シスコン”(苦笑
そんなやり取りを交しながら、夕食を食べにリビングに行く。
食べながらもむだに絡んでくるお兄ちゃんを適当に相手するあたし。
なんだかんだ言いながら、お兄ちゃんのことはきらいじゃない。
むしろ好きな方かも。
なんてね(笑
「そうだ。みきも見た?3年のプリンスっての」
肉じゃがのじゃがいもを口に運んだあと聞いてきたお兄ちゃん。
「けほっ」
いきなりのプリンス話題に思わずむせてしまったあたし。
「大丈夫?お水飲みなさい」
心配するお母さん。
た、たかがプリンスの話じゃん。
どうしたあたし!
むせることもないじゃん!
し、しっかり!
「だ、大丈夫。…プ、プリンス?プリンスがど、どうしたの?」
「なんか今日プリンスって有名なのがきたらしくて、4階で授業だったんだけど、女子の軍団がやばくてー。通るすき間さえなくて、おかげで授業中止になった☆教室戻って自習だったし☆…てか、そいつってそんな人気なの?」
「さ、さぁ〜?“プリンス”って呼ばれるほどだから人気あるんじゃん?」
お、あたし普通かも…!
「…へぇ〜」
意味深い目で見てくるお兄ちゃん…
な…なにその目(苦笑
「、、ご、ごちそうさま!」
お兄ちゃんの視線を避けてさっさと自分の部屋に入る。
てか何?さっきの視線…!
き、気づいた?!
いや、てか!
好きじゃないし?!
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