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田舎もんが見たTOKAI

[124]  樹里  2007-08-26投稿
ようやく、私は口を開いた。
「行きたくない…。」

「でも、行かないといけないんだろ?」

「分かんない。」

「行けよ。」

意外な康介の言葉だった
「東京なんて、羨ましいよな。俺も行ってみたい。」
「…。」
私は、返す言葉が見つからなかった。

「俺さ、そりゃ唯が行っちまうのは悲しいよ。でも、せっかく東京いけるチャンスが来たんだから、行けよ。唯、大人になったら東京行きたいって言ってたし。」

「それは、大人になってからの話で…。」

「いいじゃん。それに、向こう行っても、俺はぜってぇお前のこと忘れねぇし。」

康介は、うつむきながら言った。少し顔が赤かった。

「東京行っても、私、やってけるかな。」

「大丈夫だよ。多分な(笑」
「多分とか酷いよ(笑」

この後、二人でどうでもいいことを散々話した。
久しぶりに一緒に笑った。
「じゃあ、俺そろそろ帰るわ。」

「うん、またね」

「唯は帰らないのか?」

「もう少しここにいる。」

「そっか。…。あんさぁ、」

「ん?」

「俺、お前にちゃんと言ってなかっよな。」

また、二人の間に沈黙が続いた。私、こういう雰囲気苦手だよ…。

「唯、俺、お前の事好きだよ。それだけ。じゃな!」

あっと言う間だった。
まぁ、あいつらしいけど。でも、嬉しかったかな?

それから、一人でブランコに乗って、東京に行く事を考えた。たしかに、大人になったら東京行きたいって思ってた。でも今は早すぎるよ。まだ中1なのに。でも、今東京行かなかったら、一生行けなくなるかもしれないんだよ?…。でも、正直都会に行くのは怖かった。こんな田んぼしかないような町から、いきなり高層ビルばっかの所へ行くなんて…。どうしよ…。

‥…。
行こうかな……。

「唯!!!」
前を見ると、お母さんが立っていた。

「もう、探したんだから!」お母さんは、今にも泣き出しそうだ。

「ごめんなさい‥…。」

「心配したんだから。」

「お母さん、あの……東京行ってあげてもいいよ。」
「え?急にどうしたの?」

「まぁ、色々あって。」

「あら、気になるわね。でも、ありがと。まさか唯から行きたいだなんて…。」
「その代わり、帰りアイス買って。」

2へ続く

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