背中で語る卒業式?
普通ってなに? それって大でいう、楽しいって意味?
私にはわかんないよ・・
クラス会の緊張も溶けはじめて みんなが段々楽しそうな雰囲気を作っていた ただ1人を除いては・・・。
私は大に思い切って聞いてみることにした。
「もしかして・・・つまんなくなっちゃった?」
大は時々夢想家になる
自分の世界に入ってしまうのだとか
「いや、考え事してただけ。そっちは?ちゃんと楽しんでる?」
正直に言ってしまうと楽しくはなかった
結局こうやって話していても、最後には綾に取られてしまうのだから・・・
「私?私は楽しんでるよ!でもなんか元気ないんじゃない・・・?」
大は不思議な顔をして言った。
「なんでだろ。これ普通にしてる顔なんだけど、前の学校でも無愛想って言われてたし。」
確かに大は普段無愛想な顔をしていると思う
「どっか、具合悪いわけじゃないんでしょ?それならそれでいいんだ。」
大と話すのは予想以上に気を使い、そして疲れる事だと知った。 けれどなぜだろう・・・また話したいという気持ちが強かった。
私は思い切ってポケットからある紙を取り出した。
「あの、これ・・・」
大は首を傾げた。
後一言が出てこない・・・ 今さら紙はポケットに終えない・・・
「これ、私のメアドと番号・・・!迷惑じゃなければ、連絡ちょうだい・・・。」
ちょうだいじゃなくてくださいだろ!! と、心の中が激怒した。
「おう、わかった・・・」
大は少し照れ臭そうに紙を財布に入れた。
「じゃぁ、また明日学校でね〜!」
何人かが、違う道に分かれて行った。
「優、私たちも帰ろ?」
綾が時計を指して言った。もう6時になろうとしている。
「・・・じゃぁ、また明日・・・。」
私は大にゆっくり背を向けた。
「じゃね。」
この言葉で私はもう一度振り返り、小さく手を振った。
小さな小さな恋の芽生えと少し不安の残るクラス会だった。
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