処刑生徒会長第二話・11
タクシーを捕まえた二人は後部座席に乗り込み―九重モエは携帯をかけた。
だが―\r
第三中学生徒会長・梅城ケンヤにはつながらなかった。
何度もかけたがつながらない。
『おかしいわね…』
そういぶかりつつも、彼女は機転を利かせた。
午後1時20分―\r
第三中学副会長・港リリアは、自宅でベットに寝転びながら、少年アイドル誌を読んでいた。
『あーあ、私もこんな彼氏が欲しい…』
そこへ枕元に畳まれた携帯が鳴る。
『はい、もしもしー?』
友達の誘いかと思い込み、いつもの調子でリリアが出ると―\r
《リリアさん、お久しぶりです―私立K学院の九重モエですけど》
『こ…これは…!九重会長…!』
予期せぬ相手に港リリアは慌てふためきながら恐縮して見せた。
《急に電話してすみません―ですが、伝えたい事があって》
携帯越しから微かに車のエンジン音が聞こえて来る。
リリアは取り合えず、携帯を持ちながら洗面所に向かった。
『あ、あのー伝えたい事とは?』
デフォルメされた動物のキャラクターがあちこちデザインされたパジャマ姿のまま、リリアは至って政治的な話題を受け付けた。
《梅城会長に至急連絡して下さい―3年前、この一帯をコントロールしていたイジメグループを西Z駅前で目撃しました―狙いは恐らく貴校の学園祭でしょう》
鏡の前で髪を整え、手際良く巻き上げながら、
『イジメグループ?ええと、一条フサエの一味ですか?情報提供どうもありがとうございます』
《老婆心ながら連中が学校に入れないよう、対応をお勧めします―今のところ人数は主要メンバー3名のみですが、昔の仲間を集め出したら、正直大変な事になるでしょう》
九重モエは更に―\r
《要請があれば当校も増援を出します。実は連中の手で、我が校生徒も1人、犠牲になっているのです。よろしければ検討して見て下さい―》
『了解しました』
港リリアは濡らしたタオルで顔を拭きながら、そう返事したが―\r
『ですが、変ですねえ―彼等が今、学校に行っても何も出来ない筈なのですが』
《サマーフェスティバルはもう、始まっているのでしょう?》
さっきから妙に危機感を示さない副会長の様子を、九重モエは不思議に感じ始めていた。
だが―\r
第三中学生徒会長・梅城ケンヤにはつながらなかった。
何度もかけたがつながらない。
『おかしいわね…』
そういぶかりつつも、彼女は機転を利かせた。
午後1時20分―\r
第三中学副会長・港リリアは、自宅でベットに寝転びながら、少年アイドル誌を読んでいた。
『あーあ、私もこんな彼氏が欲しい…』
そこへ枕元に畳まれた携帯が鳴る。
『はい、もしもしー?』
友達の誘いかと思い込み、いつもの調子でリリアが出ると―\r
《リリアさん、お久しぶりです―私立K学院の九重モエですけど》
『こ…これは…!九重会長…!』
予期せぬ相手に港リリアは慌てふためきながら恐縮して見せた。
《急に電話してすみません―ですが、伝えたい事があって》
携帯越しから微かに車のエンジン音が聞こえて来る。
リリアは取り合えず、携帯を持ちながら洗面所に向かった。
『あ、あのー伝えたい事とは?』
デフォルメされた動物のキャラクターがあちこちデザインされたパジャマ姿のまま、リリアは至って政治的な話題を受け付けた。
《梅城会長に至急連絡して下さい―3年前、この一帯をコントロールしていたイジメグループを西Z駅前で目撃しました―狙いは恐らく貴校の学園祭でしょう》
鏡の前で髪を整え、手際良く巻き上げながら、
『イジメグループ?ええと、一条フサエの一味ですか?情報提供どうもありがとうございます』
《老婆心ながら連中が学校に入れないよう、対応をお勧めします―今のところ人数は主要メンバー3名のみですが、昔の仲間を集め出したら、正直大変な事になるでしょう》
九重モエは更に―\r
《要請があれば当校も増援を出します。実は連中の手で、我が校生徒も1人、犠牲になっているのです。よろしければ検討して見て下さい―》
『了解しました』
港リリアは濡らしたタオルで顔を拭きながら、そう返事したが―\r
『ですが、変ですねえ―彼等が今、学校に行っても何も出来ない筈なのですが』
《サマーフェスティバルはもう、始まっているのでしょう?》
さっきから妙に危機感を示さない副会長の様子を、九重モエは不思議に感じ始めていた。
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