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処刑生徒会長第二話・13

[877]  まっかつ  2007-08-29投稿
立ち上がりながら梅城ケンヤは自分の携帯を取り出し、いじってみた。

―駄目だ。

―やはり動かない。

―そろそろ寿命だったからなあ。

―ふっ。

―大事な計画の実行を前にして、俺も案外抜けてるな。

自分の迂濶さに苦笑してから、

『風紀委員長―体育館に向かう前に最終報告を聞こう』

赤木マモルは会長の机の前に立ち、

『現在我が委員会32名が校内を固めております。他に10名が周囲をパトロール中―全ては予定通りです』

『予定通りじゃないのは俺の携帯だけか―済まないが生徒会のやつを1台貸してくれ』

赤木から会所有の携帯を受け取った梅城ケンヤは、

『では後を頼む』

そう言い残して体育館へ向かった。







体育館に入ったイジメグループ三人は、今だ電気すら付けられてない内部にいぶかしがりながらも、板敷き床を歩んでほぼ中央まで進んだ。

すると―\r

『ようこそみなさんお待ちしておりましたよ』

巨大なカーテンがさっと開き、彼等のすぐ前に現れた舞台から、梅城ケンヤが声をかけた。

『始めまして。私がこの学校の生徒会長・梅城ケンヤです』

舞台の中央に据え付けられた演壇から、ケンヤは声を弾ませながら、

『だが、始めまして何て言うのもなんだか間違ってるな―浅からぬ縁がありますからね―みなさんと私には』

謎かけじみた言い方に、一条フサエ達は首をかしげた。

『はあ?お前、何いってんだ?学年が三つもずれていて、縁もクソもねえだろうがよ』

そう噛みつく桂シュンスケに、梅城ケンヤはいよいよ真相を告げた。

ゆっくり、悠然と、力を込めて。

『正確には、私と君達の間には、ある一人の人物が介在している―もう死んでしまった君達の同級生だがね―悲しい事に彼女は、自ら命を絶った―実に悲しい事だよ。なぜなら彼女は―俺の従姉妹だったんだから』

事態が把握されるにつれだんだん固まり出す三人に―\r

『俺は、俺は―多聞堀ナツの従兄弟だ。お前らにイジメられ、辱められ、死んでも尚お前らやマスコミやネットで笞打たれ続けたナツのな!!!!』

怒りに鬼の形相と化した梅城ケンヤが片手を挙げて合図すると、全ての入口が閉じられ、舞台や内部通路口からはぞろぞろと、風紀委員が現れて、イジメグループを囲み、銃を構えた。

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