携帯小説!(PC版)

[130]  ゆう  2007-08-29投稿
付き合ったきっかけはなんだったんだろう。
覚えてる最後の場面は、仕事の帰りに一緒に地下鉄で帰った時の事。
彼の奥さんは、私の存在を知りノイローゼになったそうだ。
彼に離婚を望む程、彼の愛を熱望してた訳ではない。
奥さんは離婚は嫌だと自殺未遂をした。彼は相当ショックを受けて、私と同じだった職場を去る事にした。
私と会い続ける事も止めると言った。
「いつか落ち着いたら迎えに行くから」
そんなセリフを信じる程、夢見がちではなかったけど…
「待ってる」
ととっさに答えていた。帰宅ラッシュで鮨詰めになっている地下鉄の中で、堪えていたはずの涙が後から後から流れていた。


彼は小さい頃別れた父に、どことなく似ていた。背が高い所や優柔不断で優しい所。
女にモテる所。
私は再び父に捨てられた気がした。

1年後、偶然彼の職場に彼のいない時に派遣で行く機会があった。彼の担当するお客さんを、偶然にも私がその日担当する事になった。お客さんは彼の事を「とても面白い人なのよ。いつも『僕のこれからの人生は無為に生きていく』とか言うの」と笑いながら話していた。

一瞬息が出来ない位苦しくなった。



そんな事をふと思い出したのは、当時の彼とよく似た後ろ姿を人混みの中で見つけたから。

もうあれから18年も経つ。
彼ももう60歳を過ぎただろう。どうか彼の今が幸せでありますように…

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