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航宙機動部隊・前史

[554]  まっかつ  2007-09-01投稿
西暦20世紀より始まった人類の諸問題は、21世紀に入るといよいよその存亡に関わる程に本格化・大規模化して行った。
だが、いまだ抜けきれぬ国家エゴ・企業エゴ・宗教対立等が、根本的解決の障壁として大きく立ち塞かり、旧来の世界・価値体系は已然として大きな支配力を振るっていた。

資源・エネルギー・人口・環境の四大危機に加え、科学技術の暴走に比べて、それを統御すべき倫理・道徳の歩みは遅々として進まなかった。

それでも西暦21世紀中に、国家の統廃合が始まり、それは最終的に五つの文明圏連合と三つの条約機構にまとまった。

それぞれ米州・アジア太平洋・ユーロシア・アラブ・インダフリカの超大国群と、世界安全保証同盟条約機構(WPkLTA)・国際経済および資源分配調整条約機構(IERDATO)・人類倫理・宗教大会議(HERGC)の諸機関である。

やがて、西暦二0四五年、国際法学者のチャーリーは、【人類主権】の概念を考案し、これを国家の上に置くべきと提案し、これが後の地球国家の理論的根拠とされた。

西暦二一五三年、先の五つの文明圏連合と三つの条約機構がその持てる主権を国連に委託する事を決議し、ここに全人類・全地球を支配する大統一主権が誕生した。

これが地球統一機構(UGO)である。
だが、すぐに危難は訪れた。
資源・環境等の問題は一先ず落ち着いたが、科学技術の暴走は、企業利益・利権と結び付き、これが宗教対立や個人の自由・人権にまで絡んで来て、とてつもなく複雑になってしまっていたのだ。

例えば遺伝子操作。
優秀な人類(ジーンリッチ)の創造から食糧問題に至るまで、発展し過ぎた科学技術は確かに人類を創造神にも破壊神にでも出来る力を与えていたのだ。

更に人口知能・ロボット・バーチャリアリティーと、一歩間違えは、人類全体が滅びるか、さもなくば何か別の存在へと変質してしまう―そんな危険がもう現実と化していたのだ。

それがやがて、第三次世界大戦につながった。
第三次大戦と言っても、それまでの戦争と全く違って主権国家や国民同士の総力戦を意味する物ではなかった。
更に何か明確な期間や陣営を規定するのさえ、極めて困難で、後になっても結論が出せない位混沌とした内容だった。

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