感情
彼の感情の破裂はいつものことでなれていた。ついさっきにはゲーム中にヒロインを五回死なせてしまったと泣きついてきた。無理矢理引きはがしてしまえば、君はなんとも無情だな、とぐずる。
「友人が泣いているのに慰める気はないのか」
「泣く理由がわからない」
「やはり君は無情だ」
おいおいと涙を流す。ヒロインごときで阿呆じゃないか。ゲームに心頭しすぎている。彼はなにごとにも真っすぐだ。この場合ではヒーローとしてヒロインを悼むし、体育でバスケの試合をすれば全国大会決勝とばかりに盛り上がり負ければやっぱり号泣した。
「生きるの大変じゃないか」
聞くと、彼はひどく驚いた。
「なにを! 生きるのは楽しいに決まっている」
そして体言するように楽しげに笑いだした。これもまた感情の破裂だった。
「友人が泣いているのに慰める気はないのか」
「泣く理由がわからない」
「やはり君は無情だ」
おいおいと涙を流す。ヒロインごときで阿呆じゃないか。ゲームに心頭しすぎている。彼はなにごとにも真っすぐだ。この場合ではヒーローとしてヒロインを悼むし、体育でバスケの試合をすれば全国大会決勝とばかりに盛り上がり負ければやっぱり号泣した。
「生きるの大変じゃないか」
聞くと、彼はひどく驚いた。
「なにを! 生きるのは楽しいに決まっている」
そして体言するように楽しげに笑いだした。これもまた感情の破裂だった。
感想
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