眠れない夜に?
あいつの攻撃はすごくてとにかく私の姿を見つけては声をかけてきた。「あんな恥ずかしげもなくよくできるね」とはじめは私を心配していた友達がいつの間にかあいつを応援するようになっていた。クラスは違ったから会うことは少なかったけど、登下校の途中や廊下で私を見つけると大きく手をふってバイバイした。「じゃぁなー!」「おはよー!」「久しぶりー!」その度みんなが振り返り私を見る。名前を言った覚えも話したこともないのに。あいつは普通に声をかけてきた。今までずっとそうしてたみたいに普通に。私はひきつった笑顔で対応するので精一杯だった。いつどこであいつが現れるかびくびくしてた。そのうちあいつが私を好きだってことは学年中に知れ渡り、ところかまわず私に声をかけることにもみんな慣れっこになっていた。先生も友達もあいつを微笑ましそうに見ていた。外堀を埋められた私だけいつもどきどきして警戒していなければいけなかった。あいつのことを好きでもないのに、まだ13で純粋なわたしはあいつを意識せざるを得なくなってた。信じられないかもしれないけど、そんな変な関係が1年間続いた。
そして中2の春。新しいクラスが貼り出された…
そして中2の春。新しいクラスが貼り出された…
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