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処刑生徒会長第二話・23

[981]  まっかつ  2007-09-06投稿
九重モエ達を乗せたタクシーは抜け道を伝いに伝っていた―\r


『これからどうしますか?』

タクシーの後部座席左側から、九重モエのボディガード・霧島ユウタが鋭い目を外に配りながら、行き先を尋ねた。

『このままY区方面に向かいましょう。第一中学校のテリトリーに脱出する方が近道です』

第三中学校がどれだけ強大でも、いくら梅城会長が絶対権力者であっても、他校のテリトリーに逃れればこの危険極まる【ゲーム】は終わる筈なのだ。

程なくして、タクシーはとある私鉄の高架にまでたどり付いた。

第一・第三中学校を隔てる、ここが国境なのだ。

モエと霧島は、窓を開け辺りを確認して―ホッと胸を撫で下ろした―\r

幸い第三中学校の追手はまだ来ていないみたいだ。

モエに促されるままに、タクシーがガード下をくぐると、第一中学校が設けている検問所に差し掛かった。

二本車線の中央に簡易ゲートが置かれ、向かって右側にはプレハブ式の詰所が建てられている。

―助かった

モエと霧島は、ようやく虎口を脱したと確信した。

後は検問所の門衛に事情を説明して、通過を許可してもらえば、一条フサエの命は助かるのだ。


『これはお疲れ様です。私は私立k学院会長・九重モエですが』

寄って来た検問員にモエは挨拶をした。

『実はとある女子学生が追われてまして、彼女を安全な場所まで護衛している所なのです―お手数ですが、通過させて下さい。詳しい事情は追って説明させていただきます』


だが―\r

『申し訳ありませんが、あなたたちを通す分けには参りません』

検問員の対応は、完全な拒絶だった。

『そこの真ん中に座っている一条フサエと言う学生が、体育館で二人を殺し、現在逃亡中だとの知らせが第三中学校から入っております―我々は犯罪者に加担するつもりはありません。おひきとり下さい』

―!

余りの事態に、気丈なモエですら動揺を隠せなかった。

梅城ケンヤの魔手は他校にまで伸びていたのだ!

『それは誤解です!彼女は殺し合いに巻き込まれて―貴校は騙されているのです!分かりました。貴校の―太田会長に私が連絡を取ります』

霧島が車を降りて後方の警戒に当たる中、九重モエは携帯を取り出した。

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