「僕はただの人」
一月二十日。僕は日記を書く事にした。特に理由はないが、やる事もなく毎日が暇だったから…。今日は、冬だというのに外は日差しが強く、暖かい日だった。最近は雨もふらず、部屋に入ってくるわずかな光が、今日も殺風景な部屋を照らしている。やる事も無く、いつもと変わらない一日を過ごしていた。ぼーっとしてる事が多いが、気付くといつも考え事をしていた。「僕はなんの為に生きているんだろう?」答えの出ない僕の疑問。家族の為に生きる人、自分の好きな事の為に生きる人、人それぞれあるだろうが、僕はどれにもあてはまらなかった。今日も答えの出ない疑問を考えていたが、前に付き合っていた彼女の事をふと思い出した。人との触れ合いが苦手だった僕に初めてできた彼女の事を思い出したので、少し心が踊った。可愛くて、優しくて、上品で…自慢しようと思ったらキリがないくらいだ。そんな自慢の彼女だったが、僕は憎まずにはいられない。彼女が裏切ったからだ。好きな男が出来たと、食べ残しの生ごみを捨てるかのように僕を捨てたんだ。だから僕は…。そんな彼女の名前は「恭子」。胃がキリキリしてきたので今日はこれで寝る事にしよう。 つづく…
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