ヤス#152
ヤス#152
ヤスの広い背中には…いや、腰から首筋に及び、赤い龍が棲んでいた。
純子の夫は組の親分だ。イレズミなど驚きもしない。だが、ヤスの背中に浮かび上がる赤い龍はイレズミでなない。まさに「棲んでいる」と言う言葉が的確だろう。それ程、生々しく浮き上がっていた。
「や、やっちゃん…こっちを向いてくれない?あ、あの…何か纏ってくれたら嬉しいけど…じゃないと…」
「あ、すみません…今、服を着ます」
「ええ…そうして…ふぅ…」
ヤスは服を着ると純子の前に座った。純子は興奮の面持ちだが、伊達に組のアネゴを努めている訳ではない。ヤスにアイノツブテを返すとゆっくりと口を開いた。
「どう言う訳か…話してくれるんでしょう?」
「はい。聞いてもらえますか?」
「心して、聞きしょう」
ヤスはゆっくりと話しだした。
母、純子の事。自分の生い立ちの秘密。サトリと龍神。そして、御床島でね戦い。
その間、純子は一切、口を開かなかった。
「やっちゃんは、お母様と通じ合ったのね」
「…はい」
「そう…素敵なお話ね…それで…この世に混沌の世界がやってくると?」
「はい。サトリがそう言いました。僕がサトリと再び会う時は…その時だと…」
ヤスの広い背中には…いや、腰から首筋に及び、赤い龍が棲んでいた。
純子の夫は組の親分だ。イレズミなど驚きもしない。だが、ヤスの背中に浮かび上がる赤い龍はイレズミでなない。まさに「棲んでいる」と言う言葉が的確だろう。それ程、生々しく浮き上がっていた。
「や、やっちゃん…こっちを向いてくれない?あ、あの…何か纏ってくれたら嬉しいけど…じゃないと…」
「あ、すみません…今、服を着ます」
「ええ…そうして…ふぅ…」
ヤスは服を着ると純子の前に座った。純子は興奮の面持ちだが、伊達に組のアネゴを努めている訳ではない。ヤスにアイノツブテを返すとゆっくりと口を開いた。
「どう言う訳か…話してくれるんでしょう?」
「はい。聞いてもらえますか?」
「心して、聞きしょう」
ヤスはゆっくりと話しだした。
母、純子の事。自分の生い立ちの秘密。サトリと龍神。そして、御床島でね戦い。
その間、純子は一切、口を開かなかった。
「やっちゃんは、お母様と通じ合ったのね」
「…はい」
「そう…素敵なお話ね…それで…この世に混沌の世界がやってくると?」
「はい。サトリがそう言いました。僕がサトリと再び会う時は…その時だと…」
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