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夢現綜軌帳相樂闘劇 祿

[372]  やいせ  2007-09-10投稿
そして人間とは適応動物である。
置かれた状況下で性質や波長が変化する。
亜鶴は過酷な環境を生きる人間である。
目の前で刄を見せる奴を敵と判断する。

━━━━、
本来、生物にこの表現は適切ではない。
しかし、今はこの表現が適当であろう。

――瞬く間。
一瞬の出来事だった。

肆之佐は刀を構える。
しかし、そこに刀は無かった。
しかし刀を持っている。
――――答えはこうだ。

肆之佐は刀を構え直した。
妖怪の反応速度は並を異している。
肆之佐が刀を構えた直後に地を蹴り、肆之佐の懐に潜り込み刀をへし折る。
キンッ!
鋭い金属音が鳴り終るよりも速く、次に移行する。
ラフィは左手を肆之佐の脇腹に突き刺した。
痛みという物は、大きくなればなるほど、伝わるのに時間が掛かる。
これは痛みによるショック死を禦ぐ為のメカニズムの一つである。

肆之佐には、何が起こったのか理解できなかった。
ただ、気が付いたら懐にラフィが居、刀が消えていた。
金物を抜く事もなく、次の瞬間に得意の足掛けを振る舞う。
「‥‥‥‥っ!」
肆之佐は声に成らぬ声を鳴らした。

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