夏の風4
二人の距離は
すごく近かった。
仲はすごく良くて
学校でも評判だった。
ある日−。
ナミリと拓未は一緒に
下校していた。
チリンチリン♪
加恵が自転車で
通り過ぎていく。
「お幸せにィ〜っ!!」
ナミリは笑いながら
手を振った。
「ナミリっていいよねぇ…
あんなカッブルになりたい!!」
加恵と友だちの
会話が聞こえる……
ナミリと拓未は
少しの間、沈黙が流れていた…
学校のみんなは、
あの二人が付き合っている、と
思い込んでいた。
カップルのように
仲が良いのに、
どちらからも
告白が無いままだった……。
その夜−。
お風呂から上がったナミリは
ベッドに寝転んだ。
「何か言ってくれたって
いいのに…………」
ピロリロリン♪
−拓未からメールだ………。
『今年の祭り一緒に行く…?』
ナミリはそれどころでは
なかった…
『私たちの関係って何なの…?』
それだけを送った。
『ごめん…祭りの時に言うから…
それまで待ってて?』
『分かった』
ナミリは嬉しかった。
これで悩む事は無い。
たった一つを除いては……
8月27日−。
祭り当日。
−本当に言ってくれるのかな…
心配だった。
でも、信じるしか無かった…。
それと、自分も告白する
ことがある………
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