携帯小説!(PC版)

トップページ >> SF >> マドレーヌをもう一度-一章?

マドレーヌをもう一度-一章?

[402]  鈴里ユウ  2007-09-11投稿
…銀河暦二九九年六月三日。ドーリア連邦の首都グラフトンは長雨があけて空は快晴だった。この都市らしい緑薫る風が吹き、街ゆく人達の表情も明るい。
イオニア王国とドーリア連邦との間に星間戦争が始まって早くも二十年以上になる。戦況はしかし膠着し、いつ終わるとも知れない長期戦となっていた。
この間の両国の人的資源の消耗は激しい。特にもともと国力に劣るドーリア連邦においては悩みの種だった。
そうした状況への対策の一環として設けられたのが「空軍操縦士育成機構」であった。
通称「幹部候補生制度」と呼ばれるこの制度は、軍の「統合作戦本部」の管轄において、空軍力の強化を目的としたものである。
空軍士官学校卒業生の中から、適性の極めて高い者に特殊訓練を施すことにより、撃墜王級のパイロットを増員しようというものである。
実際、これによりJ・ミッチャーら優秀なパイロットを生み出したが、例年一人出ればいい方で、殆どの士官学校生は候補生にすらなれなかった。
しかし、この年度のはじめ関係者は驚愕した。前年はいなかった候補生が、五人も推薦されたからである。
そして協議の結果、五人とも候補生として認められたのだった。

その中でも期待されたのがアラン・シェリー候補生である。彼は士官学校時代から空戦の天才と知られ、技術部門においては首席であった。もちろん軍の期待も大きい。
そんな彼だが、在校時代は別の名で通っていた。必要以上のことは喋らないやや寡黙なアランを、他の学生は「シェル(貝のような)・シェリー」と呼んだのである。そんな周囲に対し、彼らしく反論もしないので、その天才振りとともにさらに有名になっていた。また、容姿においても魅力があったので女子学生にも人気があった。

ケイト・ブロードもそんな彼に恋をする学生の一人だった。
彼女はアランが候補生になるらしいと聞くと、必死で練習をし、また彼女にも適性があったのだろう。見事同じ候補生になった。
といってもやや内気なところがあるケイトはそんな気持ちは表に出さなかった。
反って避けてるといってもいい位だった。食事や学科の時は離れて座り、空戦シミュレーションの相手も避けるという有様だった…。

感想

感想はありません。

「 鈴里ユウ 」の携帯小説

SFの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス