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処刑生徒会長第二話・27

[754]  まっかつ  2007-09-11投稿
PM5時・第三中学校職員室―\r

『何!?私立K学院・副会長が!?』

設置された緊急対策本部で、風紀委員会長・赤木マモルは突然の知らせに眉をひそめた。

北に隣接するk学院から風紀委員会約30名を率いて、向こうの副会長・安東タロウが【侵攻】して来た―\r

学区境の検問から、そう連絡が入ったのだ。

『k学院ごときのへなちょこが!我が校で狼藉(ろうぜき)を働くだけでなく、侵略の野望まで持っていたか!くそっ、目にもの見せてやる!!』

赤木マモルは激怒して、部下達に司令を下した。

『C班・D班を差し向けるぞ!もし連中が何か仕掛けて来たら構わん!蹴散らしてやれ!!』

そして、既に特別調査取締班と共にタクシー二台に分乗し、一条フサエ追撃に向かっている梅城ケンヤに事態を伝えた。










『―そうか、K学院が動いたか』

タクシーの後部座席で、着信を告げた携帯を取った梅城ケンヤは、その知らせに別段怒りも失望もしていない様子だった。

【はっ。C班・D班、併せて28名を向かわせました】

赤木マモルの報告から、ケンヤは早くも真相を見抜いていた。

―こいつは囮だな

だが―\r

『その件は君に委せた。恐らく向こうから撃ってくる事は無いと思うが、引き続きやつらの監視を頼む』

【はっ】

風紀委員会は校内治安・学区の安全保証が仕事だ。

仮に陽動だとしても、【なぜ勝手に動いた】と責める分けにはいかない。

実体はともかく、タテマエ上あれは公的な治安組織なのだ。

一条フサエを殺すために学区防衛まで放棄しろとは、さすがに言えない。

それに―\r

梅城ケンヤは座席の左右を見回した。

九重モエら三人位、俺達だけでも十分だ。

タクシーに乗り込んでいる生徒達は、ケンヤ以外全員白い学ランで身を固め、日本刀で武装している。

会長就任と同時にケンヤが設置した、これが【特別調査取締班】だ。

銃器こそ使わないが、風紀委員会の中から、特に格闘戦に秀でた生徒だけを集めた【精鋭部隊】なのだ。

この異様な出で立ちの一団こそ、梅城ケンヤの【切札】なのだ。

彼らの力があれば、近隣の学校の一つや二つ攻め落とす位、造作もない。

増してや、幾ら強いとは言え、九重モエ独りだけで何が出来る―\r

ケンヤは勝利を確信した。

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