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マドレーヌをもう一度第一章?

[370]  鈴里ユウ  2007-09-16投稿
ところがこの日、ケイトに思いがけないことが起こった。アランに食事に誘われたのである。心拍が小躍りするように高鳴り、二つ返事で承諾した…と後日ケイトは回想する。 だが、その様子を見ていた同じ候補生のリン・ケリーによると、話し掛けられたケイトはひどく冷たい反応で、口調もそのままに、
「…何か用?」
と言ったという。
「よくアランが怒らなかったと思う」
「……」
ケイトは言い返す言葉が無いので視線をそらしてごまかした。
「…グエンとアジドは?」
ケイトは残る二人の候補生の名を挙げて話題を変えようとした。
ケリーは呆れたような顔をしたが、それは言葉にしないで、二人が訓練中であることを告げた。

こんなことを後になって話すのも、あの食事をきっかけにアランとケイトが付き合い始めたからである。
ケリーも彼に好意を寄せていたが、親友であるケイトに遠慮してそのことは一度も言葉に出さなかった。
グエン・ナムツェル、アジド・アジャールといった他の男性候補生も、初めはあまり良い顔をしなかった。
それが徐々に慣れていったのは、アランが変わらず訓練に集中し、仲間の前でベタベタするようなことが無かったからである…。

銀河大戦という平和とは程遠い時代にあっても、彼らは明るさを失うことは無かった。それはまだ、学生の延長だったからだと思われる。
実戦経験を持つ者は、そこまでなかなかはしゃぐことは出来ないだろう。いや、辛い時代だからこそ、明るく振る舞う者もいる。彼らは前者だった。
しかし、そうした日々にもやがてピリオドが打たれることになる。その時、彼らは身をもってこの時代の重みを感じることになるのである…

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