*ひまわり畑*?
バス乗り換えを繰り返しながら2時間かけて、やっとおばあちゃんの家についた。
「よく来たねぇ。せっかくの夏休みのにすまないねぇ…。」
「なーに言ってんの。都会の夏休みはお金掛かるし、空気がこもってるからどっちにしても来てたよ。あとは自分でするから、休んでて。」
「はいはい」と畑までの道を教えてもらい、早速行くことにした。
畑まで、結構遠かった。毎日畑まで通うおばあちゃんに感心した。
畑に着くと、私は驚いた。畑=野菜と思っていたが、全く違った。
一面にはあのひまわり畑が広がっていた。
二週間が過ぎ、おばあちゃんもすっかり元気になった。ひまわり畑の世話もうまくやってこれた。明日帰ることにした。その日の夜、おばあちゃんは突然私にたずねた。
「純ちゃんにあった?燐(私)に会いたがってたよ。」
「純?誰だっけ…。」
「忘れたのかい?燐が幼かった頃いつも2人でひまわり畑で遊んでたよ。まぁ、すぐに引っ越したから覚えていないのかもねぇ…。」
そういえば、ひまわり畑で遊んだ記憶がある。誰かと…。電車で会った彼と同じ懐かしさを感じた。
翌日、おばあちゃんに見送ってもらい、電車に乗った。最後にあのひまわり畑を見ようとドアの前に立った。
次の駅だと思いながら、ひまわり畑を見ようとドアが開いたので端によった。
…ドンッ。
誰かとぶつかり、また吹っ飛ばされた。辺り一面にひまわりがぶちまけられた。
「ごっ、ごめん!!あまりにも急いでたから…」
聞き覚えのある声を聞き、はっと顔をあげるとこの前ぶつかった彼だった。……純ちゃんだ。思い出した。小さい頃、あのひまわり畑でぶつかったことがある。吹っ飛ばされた私に手を差し延べたのは純ちゃんだった。
「…純ちゃんに私いっつも吹っ飛ばされてる。」
「燐?もしかして燐?!」
彼は私にひまわりをあげるため、おばあちゃんから電車に乗ったことを聞いてすっ飛んで来たらしい。顔もよくわからないのに…(笑)
「純ちゃんのおかげで最後にひまわり畑を見れた。」
「…またここに来いよ。そん時は言えよ。…待ってる。」
純ちゃんのひまわり畑の中で私は「うん。」と、思わず微笑んでいた。
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