怪奇
ある年の春休み、香港に旅行に行った。私は一人だが、ツアーに組み込まれた。
自由な時間に、三人のツアー仲間とブランド品販売の店に入った。極端に安いことからして、偽ブランドを堂々と売っているようだ。
仲間の中の一人、22才の女性がワンピースを試着してみると言って、狭い試着室に入りカーテンを閉めた。
残された三人は、バッグなどを見ながら待った。しかし、10分待っても20分待っても出てこない。声をかけたが返答がないので、思い切ってカーテンを開けたが誰もいない。服もない。
添乗員を呼び店長に話したが、全く分からない、警察に届け出て下さいと答えた。
見つからないままに、残りの四日を過ごし、帰国した。家族は青くなっていたが、事件扱いにはなっていなくて、単なる失踪者扱いのようだ。
…それから九ヵ月、年末にも香港に旅行に行った。気になっていたので、一人であのブランド店に行ってみた。
店の奥の店主の横の椅子に、あの行方不明の女が腰掛けていた。どうやら店主の妻になっているようだ。妊娠九ヵ月か臨月に見える腹をかかえて本を読んでいる。
自由な時間に、三人のツアー仲間とブランド品販売の店に入った。極端に安いことからして、偽ブランドを堂々と売っているようだ。
仲間の中の一人、22才の女性がワンピースを試着してみると言って、狭い試着室に入りカーテンを閉めた。
残された三人は、バッグなどを見ながら待った。しかし、10分待っても20分待っても出てこない。声をかけたが返答がないので、思い切ってカーテンを開けたが誰もいない。服もない。
添乗員を呼び店長に話したが、全く分からない、警察に届け出て下さいと答えた。
見つからないままに、残りの四日を過ごし、帰国した。家族は青くなっていたが、事件扱いにはなっていなくて、単なる失踪者扱いのようだ。
…それから九ヵ月、年末にも香港に旅行に行った。気になっていたので、一人であのブランド店に行ってみた。
店の奥の店主の横の椅子に、あの行方不明の女が腰掛けていた。どうやら店主の妻になっているようだ。妊娠九ヵ月か臨月に見える腹をかかえて本を読んでいる。
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