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言葉

[531]  ふく  2007-09-20投稿
君はとても素直で嘘が付けない子だった

だけど僕たちの根っこに触れると何故か君の本音が解らなくなる

僕が付き合おうと言った時
僕のこと好きなのと聞いた時
君はただ頷いて目を反らした

何処か頼りなくて
嘘が付けない目
僕を頼っていてくれる
悩みを正直に話してくれて
楽しい時は思い切り笑って
気に食わないことがあると思い切り怒って
悲しい時は思い切り涙を流して
そんな素直な君だから好きになった

わがままで頑固で
自分の思い通りに生きてきた
喧嘩をしても謝らない

いつしか嫌なところしか見えなくなって
そんなに薄い愛情ではなかったはずなのに
言葉で愛情を表現できない君を許せなくなって
僕に強がりを言う君が嫌になって
君を手放す決意をした


さようなら

僕の言葉を聞いた君は目を丸くして笑った

冗談でしょ

ほらね
思った通りだ
僕より上にいる君はいつでも強い

真顔で首を振る僕を見て君は笑っていた口を静かに閉じた

唇が震えている

僕の心が震えた

何も言わずに君は頷く

まただ
何も言わない
いつでもそうだ
僕たちの始まりと同じ

どうして僕への想いを言葉にしてくれないの

君の目から涙が流れる

僕の心に始まりが沸き上がる

君の涙

僕は何を解っていたのだろう
解った振りをして何も解ってはいなかった

表現が出来ないわけではない
言葉にするのがただ下手なだけなんだ
だってこんなにも素直な君

これで十分じゃないか
君は僕が好きで
僕を必要としていた
解っていたじゃないか

言葉よりも大切なもの

解らなかったのは僕だ
一生懸命愛してくれて
強がりも君の寂しさだった

そうか
僕はわがままだ

さよならを言い出したのは僕の方なのに胸が苦しい

君の涙を拭えない
体が動かない

涙が長いまつげを濡らす
君のまつげが涙でキラキラと綺麗に光る

僕は何も言えなくて
言葉が出てこなくて
ただその光をずっと見ていた

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