怪談
奥多摩から北に向かった、埼玉の山中に古いトンネルがある。
ここには、お化けが出るという噂がある。
せっかく近くまで来たので、トンネルの入り口横で一人、車中で暗くなるまで待った。
暗くなってから二時間たったが、何も起こらない。
あきらめて帰ろうとしたその時、後ろの窓がノックされた。
人の姿が無い。
気味が悪いので、車を出そうとしたら、もう一度ノックされた。
思い切って車から出てみたら、二歳位の女児が一人こっちを見上げて立っている。
お母さん、いない。お母さん、いない。を小さな声で繰り返している。
迷子か?しかし、話し掛けようとしたら、後ろに向きを変え、小道を歩いて暗い森の中に消えた。
恐ろしい静寂が辺り一帯を支配し、風も流れない。
ふと、後ろの大木を見上げたら、真っ赤な着物を来て両目から血を流している白髪のお婆さんが、骸骨のような素足で、枝の上に立ってこっちを見ている。
見た瞬間、背筋が凍り付き動けなかった。
記憶が消えた。
そこからどうやって帰ったのかさえ憶えていない。
耳鳴りだけが残っている。
……知人から、このメールが届いてから一週間になるが、この日以来、知人の姿を見たものは居ない。
ここには、お化けが出るという噂がある。
せっかく近くまで来たので、トンネルの入り口横で一人、車中で暗くなるまで待った。
暗くなってから二時間たったが、何も起こらない。
あきらめて帰ろうとしたその時、後ろの窓がノックされた。
人の姿が無い。
気味が悪いので、車を出そうとしたら、もう一度ノックされた。
思い切って車から出てみたら、二歳位の女児が一人こっちを見上げて立っている。
お母さん、いない。お母さん、いない。を小さな声で繰り返している。
迷子か?しかし、話し掛けようとしたら、後ろに向きを変え、小道を歩いて暗い森の中に消えた。
恐ろしい静寂が辺り一帯を支配し、風も流れない。
ふと、後ろの大木を見上げたら、真っ赤な着物を来て両目から血を流している白髪のお婆さんが、骸骨のような素足で、枝の上に立ってこっちを見ている。
見た瞬間、背筋が凍り付き動けなかった。
記憶が消えた。
そこからどうやって帰ったのかさえ憶えていない。
耳鳴りだけが残っている。
……知人から、このメールが届いてから一週間になるが、この日以来、知人の姿を見たものは居ない。
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