黒服の女と私と
「貴女は、この世界が嫌いなんでしょう?」
唐突に、後ろから声をかけられて驚く。
立っていたのは、黒いドレスに身を包んだ女。
「…えぇ。この世界はつまらない」
そっと空を見上げる。
空はこの世界で唯一の美しいものだ。
「貴女は…この丸いカプセル型の世界から抜け出せると思う?」
女は問う。
「…貴女は思いますか?」私も問う。
「私は、抜け出せる事を望んでいるわ」
女の声は深く凛としていた。
「貴女、一緒にこの世界を抜け出してみない?」
女が手を差し出す。
私はその手を、
掴んだ。
--*--*--
病院の病室の一角で、遺族が泣いていた。
「姉貴、眠っているみたいだ。笑ってる…」
「お姉ちゃん、よく頑張ったね」
その死んだ少女は、笑っていた。そして、その手には黒い布が握られていた。
唐突に、後ろから声をかけられて驚く。
立っていたのは、黒いドレスに身を包んだ女。
「…えぇ。この世界はつまらない」
そっと空を見上げる。
空はこの世界で唯一の美しいものだ。
「貴女は…この丸いカプセル型の世界から抜け出せると思う?」
女は問う。
「…貴女は思いますか?」私も問う。
「私は、抜け出せる事を望んでいるわ」
女の声は深く凛としていた。
「貴女、一緒にこの世界を抜け出してみない?」
女が手を差し出す。
私はその手を、
掴んだ。
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病院の病室の一角で、遺族が泣いていた。
「姉貴、眠っているみたいだ。笑ってる…」
「お姉ちゃん、よく頑張ったね」
その死んだ少女は、笑っていた。そして、その手には黒い布が握られていた。
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