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怪〜KAI〜

[639]  あいじ  2007-09-23投稿
座敷わらし?

景色が歪む。
現実とは思えない情景がちらちらと弥生子の周りで輝く。そんな空間に弥生子は一糸まとわぬ姿で立ち尽くしていた。
「ここ…どこ?」
弥生子の声が不安で震える。
不意に耐え難い悪寒が弥生子を襲った。全身が痙攣を起こしガクガクと機械のように震える。
「ああ…あああああ…!?」
弥生子の腹部が妊娠の早送りのように膨れ上がり、あっという間に臨月の妊婦のようになった。
「ひぃ…ぎゃあああああ!!」
激痛が弥生子の体を走り抜け、彼女の秘部から大量の羊液が溢れだした。
何かが堕ちるような嫌な音とともに激痛が消え去った。弥生子は恐る恐る自らの下腹部を覗いた。
「ひぅ…こんなのいやぁぁ!やだ、やだやだやだやだ!」
そこには四肢がバラバラに切断された赤ん坊が血まみれで笑っていた。


「弥生子くん落ち着いてください!」
凄まじい悲鳴を上げて暴れる弥生子を由良が押さえつける。露天風呂から弥生子の悲鳴が聞こえた為由良とつばめ、そして女将が駆けつけ別室に移したのである。しかし弥生子は余程の恐怖を体験したのか半ば狂乱したように暴れ狂ってしまっていた。
「仕方ないですね…由良先生、ちょっと退いていただけませんかな?」
つばめが立ち上がり懐から奇妙な札を取り出し、弥生子の額に貼り付けた。すると、弥生子の表情が穏やかになり、その場に倒れ込むように眠りだした。
「つばめさん…一体なにを…?」
「なに…ちょっとした手品ですよ…でもこれで彼女は大丈夫です…」
つばめはいたずらっ子のように微笑みを残し、由良と女将を見つめた。
「さて、何があったか教えてもらいましょうか…ねぇ、女将さん?」
つばめの鋭い視線が女将を見据える。
「そんな…私は何も知りません」
「いいえ…貴女は知っています。ここに出現する子供達のことを…しかし認識していない、だからわからない」
女将の顔が黒く歪む。
「さてと…大詰めといきましょうか?」

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