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独り言

[661]  ちっち  2005-10-13投稿
朝起きたら、昨日と違う風景があった。

いつもいた君がいなかった。

毎朝、僕が起きると『おはよう』と笑顔で言ってくれる君がいなかった。
「あ…別れたんだ。」
ぽつりと僕の口から出た言葉は、
擦れた小さな声にも関わらず、静かな部屋に少し響いた。

起き上がって、洗面台へ行き、目の前に置かれた2本の歯ブラシが目にはいった。
「これも捨てないとかなぁ…」
水の音と一緒に、僕の声も下水に流れていった。

台所へ行き、冷蔵庫を覗いた。何もなかった。
「何か買いに行かないとなぁ…」
冷蔵庫のモーターの音より、僕の声が耳に入った。

君がいなくなった部屋が、妙に広く感じる。
君がいなくなったとたん、独り言が増えた気がする。

そして、その独り言が淋しく感じる。

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