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REMEMBER

[339]  N.W.  2007-09-25投稿
コンコン。
真っ白な天井に、真っ白なベッド。
ここは病室だ。
コンコンッ。
さっきより、強めにドアがノックされる。
……どうせまたアイツだろうな。
「…入れば?」
ドアが開かれて、真っ黒で艶やかな長い髪を揺らしながら小柄な少女が入ってくる。
「おはよ!流っ!!」
目鼻立ちは整ってるのだけれども、美人って言うよりは可愛いって感じだろうか。
「……おはよう。で、お前は何者だ?」
「だからぁ、君の彼女だって。」
「またそれかよ…。」
コイツは千愛。自称俺の彼女。ちなみに俺にはそんな覚えない。というよりは……。

俺には、記憶がなんにもない。

名前だって、千愛が呼んでる。

流。

コレだけだし。

「ホントに覚えてないの……?てか、昨日ちゃんと自己紹介したよー?」
「悪いが俺の記憶は毎日0時にリセットされんだよ。」
もちろんウソだが。
「うっそだよぉ!流いつも普通に……」
そういって、急に悲しそうで寂しそうな表情に変わった。
「ど、どうした…?」
「ううん…。私たちね、ホントにホントに付き合ってたんだよ…。ゴメンね。今日勝手に来ちゃって。じゃっ。」

そういって、病室をでていってしまった…。

「一体、何があったんだろう……?」
俺の呟きは、そのまま誰に届くわけでもなく、虚空へ消えていった…。

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