携帯小説!(PC版)

[499]  ふく  2007-09-25投稿
月が綺麗な夜
薄暗い雲が月を隠し
鋭い犬歯を光らせる

独りが好きな獣は姿を消しじっと夜を待つ
月が真上に上る頃
そっと姿を見せ獲物を探す
美しいものしか好まない
目を光らせ獲物を見つけ爪を尖らせ獲物を喰らう

高く吠え満足すれば獲物を捨てまた暗闇に消える


知っている
寂しい目を
孤独な背中を
本当は独りが怖い臆病な心を

強く見せる姿
強く見せる遠吠え
誰もがその姿に落ち怪我を負い心に血を流す

私しか知らない
寂しそうに泣く声
遠くを見つめる瞳

月明かりが立髪をキラキラと光らせる
あまりにも綺麗で切なくてそっと近づき手を伸ばす
睨み付ける瞳
その視線に背筋が凍る
心臓が高鳴る

本当は寂しいんでしょ
そう言うと剥き出しになった歯を隠し
睨み付けた瞳が優しくなる

触れたい
微笑み身体を撫でる
愛おしい気持ちでいっぱいになる
もう強がらなくてもいい
朝になればまた姿を消してしまう
せめて今夜だけは弱みを見せてここで眠ればいい

雲が去っては身体が美しく輝く
美し過ぎて泣く

私の涙を静かに舐める
悲しみでいっぱいになって苦しくて抱きしめる

血を流しても構わない
はかない想いを託す
傷みを伴っても構わない
消える前に夢を見よう

またいつものように高く吠え
鋭い歯で喰らえばいい
望むなら
孤独が消えるなら
構わない


私はあなたを愛している

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