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DECEIT [護衛] ?

[491]  etc.  2007-09-28投稿
 「未だによく理解出来てないんだけど」

 自分の眉間にシワが寄っている事を、光は気が付いていない。

 「このシステムは1990年にアメリカのマック・ハーバー博士が考案したもので、プログラムシステムの向上が目的で開発された」

 「どうゆうこと?」

 「簡単に言えば自分でシステムを見直して、改善し、発展させる機能を搭載したプログラミングデータだ」

 「いい機能じゃない。私の頭にも欲しいわ」

 ひかりは頭を人差し指で叩いてみせた。

 「そのシステムをビジネスに応用しようとしたのが君のお父さんだ」

 「なんだ、別になんの問題もなさそうじゃない」

 「それが、そうじゃないんだ。このプログラムは三つのセクションで構成されている。本体となる行動・実行セクション、システムの改良を主な役割とする改善・発展セクション、そして間違った方向にシステムが働かないようにする監視・制御セクションだ。」

 光は窓の外に雨が降り出した事に初めて気が付いた。

 車が走り初めてから30分は経過しているだろう。

 「かなりごちゃごちゃね」

 「あぁ、同感だ。異変が起きたのは2005年11月半ばの事と聞いているが、第三セクション、つまり監視・制御セクションが異常行動を起こした」

 「異常行動?」

 「全く稼働しなくなったんだ」

 「……何で?」

 「そっれが未だに不明なんだよねぇ……」

 ため息まじりの望らしからぬ発言に、その場にいた二人が自分の耳を疑った。

 「……機械事態がイカれただけじゃないの?」

 「言い忘れていたが、BDSに物理的実態はない」

 「物理的に………どうゆうこと?」

 「さっきいった通り、インターネットは巨大で強力な手足なんだよ。つまりインターネットの中に存在するプログラムなんだ」

 「よく調べ上げたわね」

 「そこで君のお父さんの登場だ。BDSを自由に利用していたんだが、今回の異常行動と同時期に、アメリカのマフィアとの麻薬交渉が発覚した」

 「そう……」

 「抗議しないのか?」

 「私の家でも噂になっていて……大体把握してたわ……」

 「……気分を害したならすまない。しかし今は君の助けが必要なんだ」

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