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哀しい旋律

[223]  ふく  2007-09-30投稿
僕には出来ない程の一途な恋

彼女は一生懸命誰かを愛していた

僕は相手の名前も顔も知らない

ただ
彼女の想いは知っていた

『彼』
彼女はそう呼んでいたし
それ以上僕も聞かない

彼の事を話す彼女の顔は
とても楽しそうで幸せそうで何よりも綺麗だった

恋する女性の顔

あまりにも幸せそうに話す君を見て
何だか僕も幸せな気持ちになれた

彼女には幸せになって欲しい
この恋がどうか実りますように
本気でそう思えたんだ


弱音を吐かない
恋する女性は強い
そう僕は勝手に思い込んでいた

何があっても彼女は泣かないだろうし笑顔が一番似合うから泣かないで欲しかった


なのに
彼女は僕の顔を見ない

『どうしたの』
そう聞くと

『振られた』
そう言って俯いた

いつもと違うのは僕にでも分かる

『そっか』
それ以上の言葉が出てこない

『勝手に浮かれてた
彼、彼女いたんだ』

今にも消えそうな声
少し震えた声

そう言うと
彼女の頬に一筋の涙が流れ落ちた

声を押し殺して泣いていた

その姿が無償に寂しく映る

言葉を失う僕

ただ身体が勝手に動き
彼女を抱きしめていた

『思い切り泣いていいんだよ』

彼女は僕の肩に手を伸ばし声をあげて泣いた

苦しかっただろうに

僕の肩に雨のように降り注ぐ涙
耳元で響く泣き声

こんなにも哀しい旋律を
僕は初めて聴いた

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