翼 6
「いらっしゃい。ったく、ふざけるなよ」
「ごめん……なさい」
「まずなんでお前の両親は会ってくれないんだ?」
「ふたりとも仕事で…忙しいから」
笑顔でごまかしたつもりだけど、多分通じてない
あちこちにダンボールが積んである部屋に先生は住んでいた。
「地元…じゃないんですか」
「ああ、お前遅刻して来たから知らないのか。転勤」
「そうなんだ」
私はこの人の何にがっかりしたのか分からなかったけれど、ちょっと沈んだ気分になった。
「両親どっちも仕事か、兄弟は?」
「一人っ子です」
「両親に心配かける仕事しちゃダメだろ」
「大丈夫です。心配してませんから」
「お前どうしてそう悲観的なんだ?」
「先生…私、居場所が無いです。助けて下さい」
事実だった。
本当に居場所が無かった。
だからこの時先生が居なかったら私は多分。
「いくらでも助けてやるから。当たり前だろ?」
「先生…!」
思わず先生に抱きついてしまった。
「何回泣いてんだよ」
先生がポンポン背中を叩いてくれて、すごく楽になった。
「ごめん……なさい」
「まずなんでお前の両親は会ってくれないんだ?」
「ふたりとも仕事で…忙しいから」
笑顔でごまかしたつもりだけど、多分通じてない
あちこちにダンボールが積んである部屋に先生は住んでいた。
「地元…じゃないんですか」
「ああ、お前遅刻して来たから知らないのか。転勤」
「そうなんだ」
私はこの人の何にがっかりしたのか分からなかったけれど、ちょっと沈んだ気分になった。
「両親どっちも仕事か、兄弟は?」
「一人っ子です」
「両親に心配かける仕事しちゃダメだろ」
「大丈夫です。心配してませんから」
「お前どうしてそう悲観的なんだ?」
「先生…私、居場所が無いです。助けて下さい」
事実だった。
本当に居場所が無かった。
だからこの時先生が居なかったら私は多分。
「いくらでも助けてやるから。当たり前だろ?」
「先生…!」
思わず先生に抱きついてしまった。
「何回泣いてんだよ」
先生がポンポン背中を叩いてくれて、すごく楽になった。
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