携帯小説!(PC版)

トップページ >> SF >> マドレーヌをもう一度-第三章?

マドレーヌをもう一度-第三章?

[341]  鈴里ユウ  2007-10-01投稿
…アルテミシオン星域でのドーリア連邦とイオニア王国との戦いは、すでに勝敗が決したようである。
連邦軍は各艦隊が連絡を絶たれ、次々と撃破されている。
もはやその戦列は乱れて、戦況は一方的な展開になりつつあった。
連邦空軍のケイト・ブロード中尉は、出撃後に母艦を沈められ、戦場を移動しながら、補給を繰り返していた。もはや、二対一の空戦は当たり前になり、ケイトは、ほとんど逃げ回るのが手一杯になっていった。
何度目かの補給の時だった。
「頑張ってるな、お嬢ちゃんよ」
ケイトはハッとして声の主をみた。
どうやら、あまりの集中状態に、意識がとんでいたようだ。
「簡単にやられる訳にはいかないからね」
ケイトは無理に笑顔を作って、中年のベテラン技師に応えた。
「…どうやら、この戦いはダメらしい」
「……」
「こんな時は生き残ることだけを考えな。あんたはまだ若いんだからな」
「…ありがとう。おじさんも気をつけてね」
やがて補給が終わって、ケイトは再び宙空に飛び出した。
その直後。
いままでいた空母は、王国軍の砲撃により、爆発したのである。
ケイトはその様子を見て、あの技師の名前を聞いて無かった事が、暫く忘れられなかった…。
(しまった)
ケイトは、戦いの中、敵に誘い込まれたことを悟った。
三機に待ち伏せを受けたのである。
それでも、数度、その攻撃を回避した。
しかし、次の瞬間。
ケイトの脳裏に、直感が走った。
(狙われた!)
王国軍の巡航艦の砲口が、自分に向けられたのを、感じ取ったのである。
(避けられない!)
後方からは三機の敵が迫っている。もはや、避けるのは無理のようだ。
全てがスローモーションのように、ケイトは感じていた。

様々な人の顔がケイトの頭を過ぎる。

ついにその照準が定められて、砲口が火を吹き、一機の戦闘艇が爆発した。

…ケイトは自分がまだ生きていることに驚きながら、全力でその場を離脱した。
どうやら、自分の身代わりになった空戦隊員がいるようだ。
あれは誰だったのだろう。
ケイトは気になったが、そのことを知るのは連邦軍が完全撤退してからのことだった。

情報端末を検索した結果、同時刻同場所で戦死したのは一名のみ。
画面をみたケイトの表情は凍付いた。

そこに現われたのは、「アラン・シェリー」という若い撃墜王の名前だったからである…

感想

感想はありません。

「 鈴里ユウ 」の携帯小説

SFの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス