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DECEIT [護衛] ?

[489]  etc.  2007-10-01投稿
 「一体どうゆうことなの?」

 今の自分が何故ここにいるのか、何故追われているのか、父が侵した犯罪との関係は何か……。

 その核心に触れる事ができると感じた光は、身を乗り出さずにはいられなかった。

 「君のDNAにある」

 「血液ってこと?」

 「まぁ、そんなとこだな。正確には君の皮膚を少し頂きたい」

 本や映画等でしか知らないその存在。

 その”DNA”が原因で追われている、ただそれだけで今、自分は苦しい思いをしているのだ。

 光にはそれが信じられなかった。

 「ただの皮膚が欲しいのならば、私自身は必要ないでしょ?」

 「一概にそうとも言えない。我々は精確に、しかも大量の情報を得る必要がある。君から少しの垢なんかを採取した所で全くの無意味だ」

 光は、無菌室で白い服を着た研究者達に、自分の至る所をナイフで切り取られるシーンが頭に浮かんだ。

 「……私を付け回す意味は分かったけど、何のために必要なの?」

 「それは後でCIAの日本支部に着いたら教える。もう話は終わりだ」

 光は納得が行かない。

 「今教えなさいよ! 私は被害者なんだからね!」

 「上からの指令でこれ以上は口止めされている」

 望の目をミラー越しに見るかぎり本当のようだった。

 「んじゃこれだけは答えて。私を襲ったあいつらは何なの?」

 「奴らは、雇われているだけの素人だろう。武器、訓練の甘さからして判断できる」

 「雇ったのは誰なのか分かっているんでしょ?」

 「不明だ」

 耳を疑うしかなかった。

 「はぁ?」

 「何度言わせる。不明なんだよ。俺達の全力をもってしてでも見付けることが出来なかった」

 「CIAもたいしたものね」

 「お褒めの言葉ありがと」

 二人は黙り込んでしまった。車は光の知らない道を真っすぐ走り続けている。

 信号が赤になり車がゆっくりと停車した。雨は先程よりも一段と勢力を増しているようだ。まだ3時だというのに窓の外は真っ暗である。

 「君を襲った奴らやガードマンだが……」

 先に口を開いたのは望。

 「死んではいないよ」

 「え? だって目の前で撃たれたのよ!」

 「眠らせただけさ」

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