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薔薇のように 5 〜story of HANA〜

[301]  るぅ  2006-03-18投稿
はっきりした目鼻立ちに金髪、愛嬌のある笑顔――晃だ。
「昨日の・・!」
「こんばんは。」
驚く華に晃が笑いかける。
「家に帰るなら送ってくよ。」
「え?そんな・・。」
「ちょーど夕貴ん家行こうと思ってたんだ。同じマンションでしょ?ついでだから乗りなよ。ほら早く。」
「あ・・はぁ・・じゃぁ・・。」
華は普段男の車に簡単には乗らない。上司や同僚の誘いすら巧くかわすタイプだ。だが、晃の誘いには言葉もうまく出なかった。引力に従うようにあっさり助手席に乗り込んでから思わず考える。
(私、何してんのかしら。一回顔会わせただけの人の車になんて乗って・・。)
ボブマーリィが流れる車内、漂うのは煙草と香水が混ざった甘い香り。すぐ隣には男。
あまり慣れていない状況に緊張してしまうが慌てて考え直した。
(ばか!何意識してんのよ!相手は3つも年下でしかも弟の友達じゃない!)
「ねぇ。」
「はいっ!」
突然の呼び掛けに思わず声が引っくり返る。赤面する華をよそに声をあげて笑ってから晃が言った。
「男嫌いってほんと?」
「!」
思いもよらない質問に絶句する。
「夕貴から聞いた。今も彼氏いないんだって?」
(夕貴のばかっ!何勝手に言ってるのよ!)
「・・まぁ、嫌いってほどじゃないけど・・あまり得意じゃないかな。」
「へぇ〜もったいなぃ。」
赤信号だ。ゆっくり停止してから、晃がくるりと華の方を向いた。いたずらっぽく笑う。
「じゃあ俺と結婚を前提に付き合ってよ。絶対幸せにするから。」


どうやら晃には、時間を止める力があるらしい。
完全に思考がストップした状態のまま、華はとりあえず口を開いた。
「なっ・・そ・・まだ・・・えぇ?」
文になる筈もなく、ただただ言葉をつむぐ。だが晃はいたって冷静にまた車を発進させた。前方を見据えながら言う。
「御堂 晃。22歳。172センチ60キロ。夕貴と同じ美術の大学を来月卒業予定。一応言っとくとクォーター、ジイチャンがフランス人。ついたよ。」
キキッ。
軽いブレーキ音をあげ車が止まる。
無意識に車から降り見慣れたマンションを見上げる華を晃が呼んだ。まだ思考能力の戻っていない華が振り返ると、助手席の窓を開け晃が手招きしている。
「?」
反射的に華が車の中を覗きこんだ瞬間―\r
―グイッ―\r
突然頭を引き寄せられ、そのまま唇が重なった。

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