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過去はもう戻らない ―序章(3) 予感―

[304]  千里亜実  2007-10-04投稿
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11:41。
私の腕の電波時計が時刻を知らせる。
ふうっ。
息を吐いて、塀に寄りかかった。冷たい塀は、私の身体をひんやりひやした。
今、私がいるのは、待ち合わせ場所の"幽霊歩道"という、奥地の森手前にある横断歩道。夜はもちろん、昼間も薄気味悪いので、そう呼ばれてる。
さて、私はこの冒険(千春によれば探検)に来る人を知らされていない。必要なものは、全部リュックに詰めてきたし、待ち合わせ時間にも間に合った。けど、千春からの情報はそれだけで、あとはなんにも知らされていなかった。そのせいで少し腹がたっている。
11:43。この時間になっても千春は来ない。いったい、なにをやってるのか…。
11:46。ついに待ち合わせ時間を過ぎた。そして、私の怒りが頂点に達しそうになった…そのとき。
「ごっめーん!他の人の手配に戸惑って」
千春が走ってこっちへ来た。
…ん?てことは。
「他の人達は、もう奥地の森にいるの?」
「うん。どうしたの?」
は…?
私は言葉が出てこなかった。
どうしたの?、じゃねぇよ!
「え…だって、千春は、ここで"待ち合わせ"っていったじゃん!何で他の人が来ないの」
「何で。私はここで"待ち合わせ"するとは言ったけど、"みんな"でとは言ってないよ」
…へりくつぅ!
私は返事の代わりに地面をガッと蹴った。それでも千春は続ける。
「竜二とぽっつりとドクタに荷物置き場を探させて、あーずにその見張りを頼むの、けっこう大変だったのよ」
今までの千春の話をまとめると。
冒険(千春によれば探検)のメンバーはクラスのガキ大将・竜二と、竜二と仲が良い(けど雑学知識豊富で竜二より役にたつ)ぽっつりと、千春より権力が無いけど千春みたいな存在のあーず、ということになる。
で、何で私だけが待ち合わせをしているんだろう?
「何で、私だけが千春と待ち合わせしてるの?」
「本当は亜実にも見張りを頼むはずだったの。素直に来てくれそうになかったから、頼まなかった。ね、さっさといこう!みんな待ってるよ」
うん…。
怒る気力もない私は、さっさと歩き出した。----------------
「おい、もっとでっかく!」
私は、荷物置き場に円をかいている。それも、あの左手の薬指で。
なんだか嫌な予感がした。
「ねー、早くいこ―」
千春の言葉がとぎれ。突然、黒い穴が開いた。

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