携帯小説!(PC版)

花火

[379]  2007-10-05投稿
「綺麗やね。」
沙代子が花火を見てそう呟いた。
俺はそんな沙代子の横顔に見とれとったんや。
俺が見ているコトに気がついて、沙代子が俺を見る。
「史規、そない見つめんといてよお。」
と言って笑う。
「お前なんか見てへんで!!」
そう言うて俺は
沙代子の頭をぐちゃぐちゃにする。
「もぉ----!!!!史規のあほッ!!!!」
ほっぺたを膨らます沙代子。

この瞬間。
俺はいつも幸福者やと思う。
沙代子とずっと一緒におりたい
沙代子を愛してる
心からそう思った。

「来年も一緒に見ような」
沙代子にそう言うと
「うん。当たり前やろ♪♪」
と笑顔で言った。

せやけど
その約束は果たされないまま
沙代子は天国へ逝ってしまった。

沙代子が天国に逝った理由。
それは交通事故。
俺の目の前で飲酒運転の車にはねられた。

沙代子が交通事故に遭った日。
その日は俺の誕生日やった。
「一緒に史規の誕生日を祝いたいから♪♪」
と言うてた。
せやから俺は
いつもの待ち合わせ場所で沙代子を待ってたんや。

携帯が鳴った。
この着うたは沙代子や。
『前見てッ!!!!』
そう書いてあったから前を見ると
愛しの沙代子が手ぇ降っとった。

あと少し。
ほんまにあと少しやったのに...

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